人はなぜうわさ話をするのか 小橋 昭彦 2018年9月8日 とかく人はうわさが好きだ。 人類学のダンバー教授が、パブなど公共の場に集まる人々の会話を調査したところ、すべての会話の65%は、実務的な話ではなく、誰かのうわさなど社会的な話題に費やされていたという。 自然人類学の小田亮 […]
寄生虫と人の行動 小橋 昭彦 2018年9月6日 ぼくたちはこの身ひとつで生きているのでは無い。 たとえば腸内フローラこと腸にすむ細菌類は、ぼくたちの健康に欠かせない。その数、人体の細胞総数よりはるかに多く、重さにすれば1キロを超えるという。 寄生虫もまた、悪者とは限ら […]
スパゲティあるいはピザ問題 小橋 昭彦 2018年9月3日 世界の先端サービスを毎日ひとつ紹介してきた「百式」が8月末で更新を終了した。同時期に情報発信を続けていた仲間として、本当にお疲れ様と言葉をかけたい。 この「今日の雑学」は長期休載を重ねつつも、終了とアナウンスはしていない […]
ともだちになるまでの時間 小橋 昭彦 2018年8月22日 夏休みを利用して里帰りした長男が、大学の友人を泊めていた。自分も学生時代に同じことをしたと懐かしく思いつつ、培われていく友情について考えている。 カンザス大学のジェフリー・ホール教授がこの春に発表した論文によれば、親友に […]
植物の眼 小橋 昭彦 2017年2月25日 芽ではなく、正しく眼の話。植物に視覚があると言われると、野草や木々に囲まれて暮らしている身としては落ち着かない。ここ数年「ものを見る植物」という考え方が浮上してきているという(日経サイエンス2017年3月号)。 チリなど […]
ソーシャル・ブレイン 小橋 昭彦 2013年1月7日 ちょうど一年前のコラムで、ダンバー数を紹介した。ひとつの組織として最適な構成員の上限は150人といった形で引用されることが多い。ソーシャル・ネットワークの広がりとともに、聞く機会が増えた言葉だ。 ダンバー数の根拠になって […]
ぼくたちの地層 小橋 昭彦 2012年7月31日 地質年代というと、どんなイメージを抱かれるだろう。 たとえばそれは、人為の及ばない長い時間の積み重ね。ぼくにとってはそんなイメージの言葉だったものだから、「人新世」という新たな地質年代を作ろうという話に、驚かされた。 地 […]
帰りました 小橋 昭彦 2012年1月7日 帰りました。 そんな言葉が、いちばんに出てきた。 ほんとうに久方ぶりに、コラムを書きたいという気持ちがふつふつとわきあがり、調べてみるとコラムとしての配信はもう3年近くしていないのであり、それではと思いきって、今日1月7 […]
消える言葉、残る言葉 小橋 昭彦 2009年2月20日 父が世を去った。病の再発を知らされてから2年、自宅で療養しつつ、静かにその日を準備してきた。この半年は気道確保のため声を出せなかったから、やりとりはメモ書き。その日その日のちょっとした連絡から、「ありがとう」と感謝を伝 […]
自然のオーケストラ 小橋 昭彦 2008年12月24日 鳥の鳴き声が、周囲の環境によって違ってくるとは発見だった。ライデン大学のスラベッコーン博士が発表した論文によると、シジュウカラは、交通騒音のある都市部では、近隣の森に棲む同じ種と比べて、短く速く高い音程で鳴いていたとい […]
月とクマムシ 小橋 昭彦 2008年11月27日 夜の会議を終えての帰り道、足元の影に気づいて見上げると、ひんやり満月が浮かんでいた。あの月にクレーターを作ったのは天体の衝突だが、現在並みの頻度になったのは約38億年前。ひっきりなしの誕生時からゆるやかに減ったわけでは […]
誤りを恐れない 小橋 昭彦 2008年10月30日 もう一年近く前に出会って、いつかコラムにしたいと思いつつ、書けないできたネタを読み返している。ひとつは心理学の、ひとつは神経科学の研究からの報告。 コロンビア大学ミズーリ校のローラ・キング博士らによる報告は、副題に「 […]