雑学コラム

小橋 昭彦 2005年12月15日

 街角でぶつかった拍子に、相手と自分の意識が入れかわったとしよう。あなたはどう感じるだろう。動かそうとして動く身体が「自分」だし、そのように考える脳に「私」がいる。でも、それは昨日までの「自分」でも「私」でもないと考える […]

小橋 昭彦 2005年12月8日

 冬の星は圧倒的だ。出先から戻った夜、車から降りて空を見上げはあッと白い息を吐く。ましてやこの時期、早い時間には金星が輝き、おひつじ座に火星が座り、更けては土星がのぼる。ここにオリオンの三つ星やシリウス、すばるらがからむ […]

小橋 昭彦 2005年12月1日

 関わりのある若手経営者塾がカップリング・パーティを企画している。農山漁村部の男性に出会いの機会を作る県の事業があり、その支援を受けつつである。会の進行計画に悩む様子を見つつ、米国でのある研究発表を思い出していた。出会い […]

小橋 昭彦 2005年11月24日

 質量の起源と題した科学誌の記事を目にして、少しばかり驚いた。かつて重量と質量の違いについて学び、おもしろいと思った記憶はあるが、質量があることの理由を問うたことは、これまでない。  ゾウとアリには、大きな質量差がある。 […]

小橋 昭彦 2005年11月17日

 地球に接近した赤い惑星を指差し、小学1年生の長男にあれが火星だと伝える。あの小さな光に向けて、人類はロケットを打ち上げた。宇宙船はかの地に降り立ち、走査。そのカメラを通じて、ぼくたちはすでに赤い大地を「見て」いる。部屋 […]

小橋 昭彦 2005年11月10日

 前回「ご褒美を前提に食べさせても意味がない」と書いて、これっていわゆる認知的評価理論だと、あとになって気づいた。ある生理的反応に「嬉しい」とか「悲しい」というラベルをつけるのが感情だという理論。  これはけっこう便利な […]

小橋 昭彦 2005年11月3日

むかごが手に入ったので、さっそくご飯と一緒に炊いていただく。しゃきっとした口ごたえに食が進む。ただ、子どもはどうやら苦手らしく、つまんでは取り出している。 こんなとき、ご褒美を前提に食べさせても効果がないと、研究者らによ […]

EBM

小橋 昭彦 2005年10月27日

 EBMという言葉を知ったのは、いつのことだったろう。Evidence-Based Medicine、訳せば「根拠に基づく医療」である。根拠というのは、科学的な知見のこと。ここでいう科学とは、実験室で行う実験や化学的研究 […]

小橋 昭彦 2005年10月20日

 仲間と同人誌を作ってSF作品を発表していた1980年代、ブラックホールといえば大きな質量を持った星が最後に超新星爆発を起こし、中心核が自重によって収縮した結果できたものというのが一般的な認識だった。さまざまなSF作品の […]

小橋 昭彦 2005年10月13日

 南アフリカのブロンボス洞窟内、7万5000年前の地層から発見された小さな巻貝がある。いずれも口と反対側に小さな孔が開いており、ビーズ飾りだったとされる。人類がそうした象徴表現を身につけたのは、ヨーロッパに進出した4万年 […]

小橋 昭彦 2005年10月6日

 ペプシ・チャレンジというキャンペーンがあった。ブランド名を隠したコカ・コーラとペプシ・コーラふたつを飲み比べ、どちらがおいしいか尋ねるものだ。市場でよく売れるのはコカだけど、こうして尋ねられるとペプシと答える人が多いと […]

小橋 昭彦 2005年9月29日

 なにかをとどこおりなく行ったつもりでも、ぼくたちの行為には小さな淀みがひそんでいる。手を伸ばそうとした方向を微修正したり、つかもうと開いた手の開き具合を調整したり。それは必ずしも意識された修正ではない。研究者リードとシ […]