グローバルディミング 小橋 昭彦 2004年9月9日 グローバルディミング、日本語で地球暗黒化と名づけられている。スイスで気候を研究する大村纂(あつむ)教授が1980年代に報告した当時は、誰も気にとめなかった。その後観測結果が積み重ねられ、本当らしいとなった。ここ数十年、 […]
塵 小橋 昭彦 2004年9月2日 かすんだ山を見ながら、黄砂かと頭をよぎり、いや夏場にはないかと思い返す。多いのは春。白色つながりで枕草子の春の情景を連想することが多いのだけれど、近年の調査の結果をふまえるなら、のどかに構えてもいられない。タクラマカン […]
リスクとヒューリスティック 小橋 昭彦 2004年8月26日 リスクという言葉は、人によって受け取り方がまったく違うかもしれない。避けるべきと考える人と、当然の前提と考える人と。本来リスクは、どんな事象にもついてまわる。ぼくたちに求められるのは、それを正しく評価し、意思決定を行っ […]
群れの行動 小橋 昭彦 2004年8月19日 1989年10月9日、ベルリン。誰が主導したわけでもないのに、東独では七万もの人が東西を隔てる壁に集まり、民主化を叫んだ。この群集の行動を、ノースウェスタン大学の研究者らが複雑系の理論を用いて説明している。それによると […]
世界の記憶 小橋 昭彦 2004年8月12日 幼稚園は夏休み。家にいても仕事にならない、そんなときは家族揃って外に出る。博物館に行ってみたり公園で遊んだり。二歳半の次男に好評で、お兄ちゃんときゃらきゃら笑いながら遊んでいる。そんな夏の思い出も、十カ月の三男はもちろ […]
レミングの自殺 小橋 昭彦 2004年8月5日 個体数が増えすぎたレミングは、集団で海に飛び込んで自殺する。広く信じられている都市伝説だ。ルーツは、ディズニーが1958年に公開した記録映画『白い荒野』だとみられている。この映画に、集団で北洋に飛び込むレミングの群れが […]
プラセボ 小橋 昭彦 2004年7月29日 プラシーボ、偽薬とも呼ばれる。臨床試験などで利用する、外見は本物そっくりだけれど有効成分を除いた薬。その投与結果と比較することで薬の有効性を調べるわけだ。プラセボには薬効が無いにも関わらず症状が改善する例が続出し、プラ […]
味覚の進化 小橋 昭彦 2004年7月22日 暑い日の一杯のビールは美味しい。ビールは、喉にある水を感じる神経を普通の水より刺激する。喉が渇いたときのビールが格別なのはこれが理由。もっとも苦味を美味しく感じるのはヒトならばこそで、本来は毒物の信号として避けるのが無 […]
羽のある恐竜 小橋 昭彦 2004年7月15日 子どもに絵本を読み聞かせていると、空から落ちてきたバッタが4枚の羽を広げて飛ぶシーンがあって、そうか昆虫も4枚なのだとあらためて気づく。今、鳥の羽は2枚が主流だけれど、初期の鳥はどうやら4枚の羽を利用していたのではない […]
スモールワールド 小橋 昭彦 2004年7月8日 組織論の西口敏宏教授が、中国浙江省、温州の経済的発展を分析している。一人の革職人が欧州で職を得る。注文が増え、故郷から息子を呼び寄せる。販路が増すとさらに知人を呼ぶ。やがてイタリアを中心に温州人のネットワークが広がる。 […]
見えるもの、聞こえるもの 小橋 昭彦 2004年7月1日 ぼくたちは一般に、五感の中で視覚を優先的に考える傾向がある。だけど実際は目を通してのみ「見ている」のではない。セキュラー博士らが考案し、下條信輔博士らが発展させた実験がある。画面の上部両端に円盤がある。それらが対角線上 […]
しあわせですか 小橋 昭彦 2004年6月24日 あなたにとって、幸福とはなんだろう。先進国においては、収入や社会的地位は、幸福感につながらないという。ワールドウォッチ研究所によると、年収1万3000ドルを境に、収入が増加しても主観的幸福感があがりにくくなるのだとか。 […]