笑いの技法 小橋 昭彦 2002年9月26日 兵庫県立人と自然の博物館の河合雅雄館長が、野生マウンテンゴリラの観察中、怒ったオスに突撃されて命を落としかけた経験を紹介していた。セットしてあったビデオをあとで確認すると、必死の形相だったかというとさにあらず、顔は笑っ […]
月への落し物 小橋 昭彦 2002年9月23日 米国のアマチュア天文家が発見した物体が、アポロ12号のサターンロケットの3段目であることが確認された。J002E3と名づけられたこの天体は、31万キロから84万キロという卵形の軌道で地球を回っている。月までの距離が約3 […]
考古学のはじまり 小橋 昭彦 2002年9月19日 日本における科学としての考古学は、1877年に行われたモースによる大森貝塚の発掘にはじまるとされる。茨城県立歴史館の特別展の案内に、徳川光圀、いわゆる水戸黄門さんが発掘をしていたとあって驚いた。1692年のことだから、 […]
茶髪か黒髪か 小橋 昭彦 2002年9月16日 いまさら茶髪という表現を使うのもためらわれる。人ではなく、ライオンの話なのである。ライオンといえばブロンドのたてがみがシンボルで、金色に髪を染めたサッカー日本代表選手の活躍を報じた記事には「ライオンヘア」と表現されたり […]
名前の力 小橋 昭彦 2002年9月12日 ネイティブ・アメリカンは、名前に象徴的な意味を込めるという。「ホーク」と呼ばれる男ならタカのように鋭い眼力に特徴があることを表す。そうした聖なる名にちなんだ映画『ダンス・ウィズ・ウルブス』が公開された頃、自分の名はどう […]
星の世界の話 小橋 昭彦 2002年9月9日 ガリレオが木星の4つの衛星を発見して、まもなく400年。このところの観測技術の向上で、木星から離れた暗い衛星も発見されるようになった。2001年12月に発見された11個を含めると、現在までに39個の衛星が知られている。 […]
長い実験 小橋 昭彦 2002年9月5日 朝日新聞の「天声人語」に世界一長い物理実験が紹介されていた。オーストラリアのクインズランド大学で行われている石油ピッチの滴落下実験。粘度が高いため、1滴が落ちるのに8年ほどかかる。1927年からはじまり、8滴目が200 […]
標準化 小橋 昭彦 2002年9月2日 とあるビジネス誌向けに「技術の標準化」に関する小文を執筆しつつ、標準という言葉の扱いにくさを感じていた。 ぼくたちが何らかの標準を必要としていることは間違いない。このコラムが届けられるのも、相手に通じる標準と考えられる […]
野菜たち 小橋 昭彦 2002年8月29日 保育園から帰ってくるなり、祖母のところにかけていって、ダイコンとハクサイの種をください、とお願いしている。園内菜園で育てるのだろう。この夏もトマトやキュウリなど、自分たちで収穫した野菜が給食の食卓をにぎわしていたと聞く […]
カップの中で 小橋 昭彦 2002年8月26日 東の端からもたらされたお茶に西の端の砂糖を入れる。国力を誇示するようなこの表現が見られた18世紀、イギリスは世界貿易の主導権を握るようになり、紅茶はインドなどの東洋から、砂糖はカリブ海の島々で行っていたプランテーション […]
シュークリーム 小橋 昭彦 2002年8月22日 オンラインショップの店長さんたちを対象に文章を書くときに気をつけていることを話してくれという依頼があった。当日までの宿題として、好きな食べ物について800字で書くことをお願いする。好きなものについてなら書きやすいし、自 […]
チラリの誕生 小橋 昭彦 2002年8月19日 週刊誌の車内吊り広告に、有名人の下着がチラリと見えた写真掲載という見出しが大きく踊っていて、なんだかなあ、と苦笑してしまった。というのは、国際日本文化研究センターの井上章一助教授による『パンツが見える。』を読んだところ […]