太ることとストレスと 小橋 昭彦 2002年7月4日 田舎に越してきて、5キロほど体重が減った。動く距離が違う、畑の野菜を中心に食事をする、そんなことが奏効しているのだろうか。標準体重になって以降は減らない。 京都大学の清野裕教授らの研究によると、肥満になるには、十二指腸 […]
クジラが歩いていたころ 小橋 昭彦 2002年6月30日 定期購読している科学誌に「クジラが歩いていたころ」と題した特集があり、そういえばここ数年新しい発見が続いていたと思い出す。哺乳類であるクジラが魚のような姿になったことは、よく収斂(しゅうれん)進化の事例として取り上げら […]
どこかで、だれかが 小橋 昭彦 2002年6月27日 いま利用しているコンピュータは、暇になると地球外生命探しをしている。もちろんどこかに出かけるわけじゃなく、電波望遠鏡のデータを解析し、地球外生命が発したと思われる有意の信号を探しているのだ。同じようなことをしている人が […]
無限の無限 小橋 昭彦 2002年6月24日 数学が好きだった。社会人になってしばらく、朝のひととき高校生向けの問題集を一問ずつ解いて過ごしていたものだった。たったひとつの回答に至るシンプルさが好きだったのかもしれない。 世の数学書ブームにおされて、ゼロをめぐる博 […]
監獄実験 小橋 昭彦 2002年6月20日 残念、日本代表。それはともかく、スタジアムを埋め尽くした青のTシャツを見て、あの中に放り込まれたら、たとえ熱心なサッカーファンでなくても熱狂的なサポーターに変わったろうと想像した。それでふと、悪気はないのだけれど「監獄 […]
人類の母 小橋 昭彦 2002年6月17日 イヴの七人の娘たち。英オクスフォード大学ブライアン・サイクス教授の命名だ。ミトコンドリアDNAをたどることで、現代ヨーロッパの人々が、わずか7人の女性から分かれた子孫ばかりであることを明らかにした。 教授は、この7人に […]
終わり、始まる。 小橋 昭彦 2002年6月13日 恐竜絶滅と隕石衝突の関連がこれほど注目を集めているのは、恐竜というたぐいまれな存在があってこそだろう。実際のところ、それに匹敵する、あるいは上回る絶滅なら、これまで何度か地球に訪れている。 その中で最大のものは、2億5 […]
白亜紀の終わり 小橋 昭彦 2002年6月10日 1980年、アルバレス親子が隕石の衝突が恐竜を滅ぼしたと発表したとき、信じる人は多くはなかった。最後に現れてものごとを解決するギリシャ悲劇の神よろしく、デウス・エクス・マキーナだと言われたりもした。数々の反論が隕石衝突 […]
清潔志向 小橋 昭彦 2002年6月6日 いま、どこでコラムを読まれていますか。オフィスの机? だとすれば、少々覚悟のほどを。オフィスには予想以上に多くの細菌がいるそうだから。アリゾナ大学などの調査によると、1平方インチあたりの細菌数で、キーボードにはおよそ3 […]
ぼくたちを貫くトンネルの旅 小橋 昭彦 2002年6月3日 映画『A.I.』に登場する歓楽の都ルージュシティの入口は、大きく開いた女性の口だった。今日はぼくたちもトンネルに入り、喉を滑り降りていこう。ただしこちらはリアルな人体の。 最初に到達するのは、もちろん胃袋。順天堂大学の […]
タスマニアタイガーとテングシデ 小橋 昭彦 2002年5月30日 背中のしま模様からタイガーと呼ばれるけれど、姿は犬のようでフクロオオカミとも。有袋類、カンガルーのようにお腹にポケットがついている。タスマニア島に住んでいたが、19世紀以降、入植してきた白人が続々と殺害。最後に捕獲され […]
カンブリア大爆発 小橋 昭彦 2002年5月27日 しばらく前から、カンブリア紀の大爆発のことが気にかかっており、コラムにまとめようとしてはとまっていた。そんな矢先、スティーブン・ジェイ・グールドが死去したとの報が入る。バージェス頁岩に光をあて、カンブリア大爆発に注目を […]