小橋 昭彦 2002年9月9日

 ガリレオが木星の4つの衛星を発見して、まもなく400年。このところの観測技術の向上で、木星から離れた暗い衛星も発見されるようになった。2001年12月に発見された11個を含めると、現在までに39個の衛星が知られている。新しい衛星のほとんどは木星から2000万キロメートルほど離れた軌道。地球から見ても1度以上離れていることになり、満月で2、3個分はある。
 夜空に木星とその衛星からなる「木星系」を描いてみる。それまではいくら明るいといっても輝く点に過ぎなかった木星が、星空のなかで想像以上に大きな空間を占めている。点が面に変わり、自分たちが太陽系のご近所さんであることを思い出す。
 星の世界は、そんな新しい視野をときにもたらしてくれる。日本の南極観測隊が発見した火星隕石の話もそうだ。Y000593と呼ばれるこの隕石は、重さ13.7キロとこれまで見つかっている火星隕石でも最大級のもの。実はこれとそっくりな隕石が、世界各地で発見されている。火星の同じ溶岩流の、ほんの数メートルほどしか離れていない場所にあったのではないかとも言われている。
 これらの岩ができたのはおよそ13億年前。おそらくは、火星への隕石の衝突により宇宙空間に放り出され、ばらばらになったのだろう。宇宙を漂った期間は1000万年ほど。そして違う時期、違う場所の地球に落ちてきた。ほんの近くにあった岩が、分かれて1000万年のち、地球で出会う。
 木星は現在、かに座にあって、明け方に東の空に昇ってくる。続いて、しし座とともに火星。こちらは夜明けの光との競争だ。少し早起きをして、木星の衛星を想像し、火星からの岩の旅を想像する。
 こうして始める一日は、昨日とはちょっと違う視野を与えてくれる。願わくば、その視野が朝の光とともに溶けてしまわないことを。

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2 thoughts on “星の世界の話

  1. 没ネタです。妊娠マウスに環境ホルモンを与えると子どもの行動に変化(日経7月14日)。船舶が発する音がクジラの繁殖妨げ(朝日7月3日)。ブラジル試合日手術無し(朝日6月26日)。南極・北極の氷に異変。富士山噴火の降灰被害最大2兆5000億円(日経6月13日)。口語の多い竜馬の手紙、独創性ではなく書簡体が使えなかっただけ(日経6月1日)? 毛に着色する細胞のもと発見(朝日4月25日)。考古学でX線利用進む(朝日7月6日)。アトピーの犯人、洗濯機のカビ(朝日5月9日)? 血液型のABO型遺伝子は400万年以上前に共通祖先から分かれた(日経5月12日)。ショートケーキは日本の菓子職人発案(日経5月11日)。1月の夜空バブル期並み(朝日7月7日)。

  2. いつも楽しみに拝見させて戴いております。
    「これだ!」と思う内容のときは、会社の朝礼やちょっとした合間に同僚や家族に話したりしており、ちょっと
    鼻高々のときも・・・笑

    ところで、そんななか、子供からちょっとした質問がありました。それは、「どうしてお箸は2本あるの?」という
    もので、「たぶん、食べやすさを追求した結果じゃないかな?」の結論となりました。実際のところは何か起源とか
    あるのかな?と思いますが、お助けいただければうれしいです。宜しくお願い致します。

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