弥生の脳から1800年 小橋 昭彦 2002年8月15日 このコラムへも、掲示板を通してさまざまなアドバイスをいただける。前回、脳はブドウ糖しかエネルギー源にできないという話題に発展したのも、掲示板がきっかけ。それに対してまた投稿があった。 確かに、脳は平常時にはブドウ糖しか […]
砂糖をめぐって 小橋 昭彦 2002年8月12日 こういうのを詰めが甘いというのだろう。前回、赤ちゃんが太っている背景に脳のエネルギー消費量の大きさがあると書いた。そのため、飢餓に備えて余剰エネルギーを脂肪として蓄えていると続けた。読者の方から指摘をいただいたけれど、 […]
脳の大きさ 小橋 昭彦 2002年8月8日 600万年から700万年前というトゥーマイ猿人化石発見のニュース。人類の祖先としては最古、しかも大地溝帯の形成で草原化したことが二足歩行を生んだという「イーストサイド物語」の舞台とはかけ離れたアフリカ中央部での出土。ヒ […]
男色 小橋 昭彦 2002年8月5日 しばらく前に熱でふせっていたとき、各界の著名人と病気の関係についての書籍を寝床に持ち込んだ。病に病をとのしゃれではあったが、アンデルセンは心気症から生き埋めを極端に恐れ、失神しそうなときは「死んだように見えますが生きて […]
爬虫類 小橋 昭彦 2002年8月1日 歯は鱗(うろこ)と同じ起源を持つという。意外に思い、ページを繰る手を止めた。爬虫類に関する書籍に目を通していたときのこと。哺乳類は爬虫類との共通祖先から分かれたと考えられているから、とするとぼくたちの歯も鱗と多少なりと […]
ミミズをめぐって 小橋 昭彦 2002年7月29日 夏の朝、子どもとラジオ体操に向かう途上、道の両脇にたくさんのミミズが群れているのに出会う。多くは陽光に干からびかけている。まるで集団自殺。なにがミミズを路上に迷わせたのか。 ミミズは日中は土の中で静かにしている。夜にな […]
自分を信じる 小橋 昭彦 2002年7月25日 フランセス・アッシュクロフトによる『人間はどこまで耐えられるのか』は、全米オープンで優勝したプロゴルファー、ペイン・スチュワートの飛行機事故を紹介するところから始まっている。高度1万1300メートル、なんらかの原因で機 […]
右か、左か 小橋 昭彦 2002年7月22日 4歳になって経験から覚えたけれど、半年ほど前まで、右と左をどう教えるか迷ったものだ。上と下、前と後ろは教えやすい。しかし右と左はどう教えるのか。「お箸を持つ手が右」というのは、左利きの人だっているし、場あたり的で避けた […]
熱が出た話 小橋 昭彦 2002年7月18日 疲れからだろうか、突然の発熱でふせっていたのだった。喉がはれて、40度近い熱が出る。子どもの頃はよくやったものだが、最近無かった。それで、高熱を指し示す体温計を懐かしく見つめる。 もっとも、デジタル表示の電子体温計と違 […]
わたし 小橋 昭彦 2002年7月15日 ぼくは「ぼく」を用いている。編集者に原稿を渡すと、媒体によっては「ぼく」が「私」に変わっていることがある。それを見て、「私」に変わった「ぼく」って何者だろうと考える。自分はそこにいるだろうか。それならと、その媒体向けに […]
心脳問題 小橋 昭彦 2002年7月11日 喜びや痛みと脳の活動の関係を前回述べた。そうした探求は、じつは最終的にひとつ大きな疑問とつながっている。心と、脳の関係だ。心脳問題と呼ばれたりする。ぼくたちの心はどこで生まれているのか、という問いかけ。 心は精神的なも […]
喜びも痛みも報酬に 小橋 昭彦 2002年7月8日 子どもと接するとき、つい「残さず食べたらデザートだから」とか「お片づけしてから絵本読もう」とか、あることを成し遂げてから何かいいことがある、といった表現をしてしまう。打算的な言い方はいけないなあ、と思いながらやってしまう […]