美の風化 小橋 昭彦 2001年7月16日 ふと思い立って三十三間堂へ出かける。1001体の観音像との再会。ゆっくりと、その前を歩いていく。 中ほどに、上を見るように掲示がある。天井に、かつて堂内を彩っていた文様のあとが残っていると。堂内はいまでこそさびた風合い […]
脳のはたらき 小橋 昭彦 2001年7月10日 宇宙飛行士の若田光一さんがスペースシャトル内でキャッチボールをした光景は覚えていらっしゃるだろうか。なにげないように見えて、脳と意識に関する深い事実が隠れているらしい。 1998年のスペースシャトルの飛行で、フランスと […]
鍼と灸 小橋 昭彦 2001年7月9日 鍼(はり)、灸(きゅう)は、それぞれ国家資格になっている。別の資格ではあるけれど、ツボをどう刺激するかという違いなので、学ぶときも並行して学ぶことが多く、両方の資格をもっている人が多い。 鍼師制は701年の大宝律令にも […]
万華鏡 小橋 昭彦 2001年7月6日 立ち寄った土産物屋に万華鏡が並んでいた。さっそく3歳の息子に覗かせる。「きれいやろ」「きれい」。言いながら、すぐ棚に返している。あんがい感動が少ない。 万華鏡はイギリスが発祥地。イギリスの物理学者ブルースターが1816 […]
長い名前 小橋 昭彦 2001年7月5日 タイの首都バンコクが、正式名称を観光資源にしようと計画中という記事に目がとまる。バンコクは西洋的な呼び名で、地元の人はもっぱらクルンテープと呼んでいる。しかしそれもまた略称。正式名称は、krungthep mahana […]
記号の起源 小橋 昭彦 2001年7月4日 おとぎ話の起源をたどっていて、舌切雀伝説発祥の地として売り出している群馬県の磯部温泉が、温泉記号の起源であることを知る。1661年のこと、付近の農民の土地争いに決着をつけるために江戸幕府から出された評決文の添付図に、磯 […]
おとぎばなし 小橋 昭彦 2001年7月3日 日本の五大昔話、あるいは五大お伽噺といえば、桃太郎、花咲爺、舌切雀、猿蟹合戦、かちかち山とされている。誰が定義したのかは調べがつかなかった。いずれも江戸時代から語り継がれてきた人気のある話だ。 なかでも桃太郎は、英雄譚 […]
如意 小橋 昭彦 2001年7月2日 みずからの意の如く伸縮する如意棒。伸びろ、孫悟空の一声で耳から出てきたそれは、天に届くほどにも巨大化する。 清時代、皇帝もまた如意を持っていた。もっともこちらは意の如く大きくなったりはしない。金メッキをし、豪華な彫り物 […]
象形文字 小橋 昭彦 2001年6月29日 ペルシア語を学んでいた。ペルシア語のアルファベットは、アラビア語などと同様の、右から左に書く、人に言わせれば「ミミズのような」文字である。一連のつづりの頭に来るか途中にあるか最後にあるかで文字の形が違う。そんな文字で自 […]
恐竜の発見 小橋 昭彦 2001年6月28日 恐竜はどんな味がしたのですか。そんな問いに、フライドチキンと答えた研究者がいたとか。鳥類が小型肉食恐竜から進化したという説がもとにある。毛の生えた恐竜の化石も発見されており、恐竜はワニのような肌だったという先入観は崩れ […]
まちがい 小橋 昭彦 2001年6月27日 人は、完璧じゃない。失敗は成功のもと、間違いをおそれずのぞめばいい。ただ、同じ間違いを繰り返さないこと。新人時代にそんなことを教わった人も多いことだろう。とはいえ、なぜか間違いには驚くほどのバリエーションがあって、前と […]
人と人のあいだ 小橋 昭彦 2001年6月26日 乗りこんだ駅では満席だったのに、一駅ひとえきと人が降りていき、終点につくころ車両に残っていたのは、ぼくを含め二人だけだった。いまひとりの女性とは隣の席。移動しそびれてそのままになってしまっている。今さら席を移るのも嫌味 […]