恐竜はどんな味がしたのですか。そんな問いに、フライドチキンと答えた研究者がいたとか。鳥類が小型肉食恐竜から進化したという説がもとにある。毛の生えた恐竜の化石も発見されており、恐竜はワニのような肌だったという先入観は崩れてもいる。
それにしても、この地球上にかつてはそれほど大きな生物がいたと想像するなんて、いったいどんな人に可能だったのだろう。そんなことが気になって、ギデオン・マンテル伝に目を通す。恐竜を発見した男だ。
マンテルの恐竜化石発見にはひとつの伝説がある。1822年、開業医だった彼に同行して回診に出かけた妻のメアリが、外を散策していて、のちにイグアノドンと命名される恐竜の歯の化石を見つけたというのだ。ただ、手記などによると、すでに1820年ごろには発見していたらしい。
ともあれ、マンテルがその化石をイグアナの骨格と比較して、それと近似した巨大爬虫類ではないかと推測したのが、いわば恐竜の生まれた日。当時の高名な学者はサイかカバのような草食哺乳類の歯ではないかとしていたのだけれど、それに納得せずに調べつづけたのが実を結んだわけだ。
ふと、子どものころ、友人たちと裏山に化石探しに出かけたことを思い出す。なんでもない石の模様に、これは化石に違いないって興奮していたっけ。数千万年、あるいは数億年の時の向こうへ想像を広げていた。
なんだか今の自分は、ずいぶんちっぽけなタイムスケールで生きている気がする。
ギデオン・マンテルについては、『恐竜を発見した男?ギデオン・マンテル伝』をご参照ください。恐竜関連、定番サイトをあげておきます。「Dino Club」「恐竜・化石特集」「恐竜の楽園」「恐竜王国」「福井県立恐竜博物館」「恐竜王国・中里村」「大昔、地球には恐竜がいたんだ」。また、「日本古生物学会」はこちら。
お肉の味は、その恐竜が肉食か草食か、はたまた雑食かによって変わるかもしれません。
昔『アニマ』という動物の雑誌に、「色とりどりの外観をした恐竜の絵」が載ったことがありました。恐竜の体色は、現存する爬虫類から類推すると地味な色めに思うが、もしかするともっとカラフルだったかもしれない・・・という仮説で描かれたものだったと記憶しています。
描いたのは動物画家の木村しゅうじさん。私はこの方のお宅で“蚤を正面から見た図”というのを見せていただいたことがあります。既成の概念にとらわれない方だったようでした。