小橋 昭彦

小橋 昭彦 2001年9月10日

 稲刈りの終わった田を見わたして、ふうと息をつく。このあと稲は乾燥させ、もみすりをし、玄米でなければ米をつき、そうして食卓に届けることになる。 親の手伝いをしてばかりで、全体にはこれまで気をつかっていなかった。それでたず […]

小橋 昭彦 2001年9月4日

 昭和42年に出て、ぼくたちが読み聞かせてもらっていた昔話の本を、古い書棚から引っぱりだして子どもに読んで聞かせる。「かちかち山」だ。 そして、それがひどく残酷な物語であることに今さら気づく。いたずらタヌキはおばあさんを […]

小橋 昭彦 2001年9月3日

 ジョン・フォードの名作『駅馬車』を見返す。その戦闘シーンのスピード感は今も迫力をたもっている。主人公たちを乗せて草原を疾駆するのが馬車なら、先住民たちが山肌を駆けおりて走らせるのもまた馬だ。 それで、ふと先住民たちはい […]

小橋 昭彦 2001年8月31日

 今日は最初に1分ほど時間を。目を閉じて、あるいは紙と鉛筆を手に、あなたなりの妖怪を作っていただけませんか。姿かたちと特徴を決めて、命名もどうぞ。 さて、いかがでしょう。 じつをいうとこれがけっこう難しく、ぼくも頭が堅く […]

小橋 昭彦 2001年8月30日

 山を上へ下へ行く「峠」。雨が下に落ちる「雫(しずく)」。神様に供える「榊(さかき)」。よくできた漢字だと思っていたら、これらは日本でその意味から作り出された和製の漢字、つまりは国字だという。 中国にない事物を表すときや […]

小橋 昭彦 2001年8月28日

 俗な話題をとタイトルから思われたかもしれないけれど、地球を守る話なのである。 げっぷとおならといっても、家畜のそれ。家畜が出すげっぷやおならが原因のメタンガスによる温室効果が、あんがい無視できないのだ。畜産大国ニュージ […]

小橋 昭彦 2001年8月28日

 お盆、ふるさとに帰る。仏壇の前、ご先祖さまにご詠歌を唱えるのが昔からのならわし。オンチでカラオケ嫌いなぼくも、こればかりは木魚や鉦(かね)をたたきつつ、声をあわせる。 ふるさとのご詠歌には西国三十三所がうたわれている。 […]

小橋 昭彦 2001年8月27日

 夏休み、しばらくコラムを休ませていただきました。ご理解いただき、ありがとうございました。 京都に戻ってきて、先の週末は団地の地蔵盆。棟の間の緑地にテントをはって、朝から夜まで、子どもたちを中心にゲームをしたりお菓子を食 […]

小橋 昭彦 2001年8月8日

 夏の週末、船遊びをしようと友人に誘われて、琵琶湖に遊ぶ。日帰りの小旅行。こんな旅でもちょっとしたリラクゼーション効果があるのだろうか、月曜の仕事は思ったよりもはかどった。 社団法人日本旅行業協会から、旅の健康学的効果を […]

小橋 昭彦 2001年8月7日

 高校生の頃、友人に「東京人みたいなしゃべりかたするなあ」とよく言われた。兵庫県の片田舎で生まれ、育っている。東京には住んだこともないし、当時は訪れたことさえなかった。母が若い頃数年間東京で暮らしていた影響じゃないかと答 […]

小橋 昭彦 2001年8月6日

 実家に帰った折に、高校生のころ読んだオールディスの『地球の長い午後』を読み返す。はるかな未来、地球は太陽に同じ面を向けて静止し、植物が支配する世界になっている。昼の側の半球をおおう一本のベンガルボダイジュ、月まで旅する […]

小橋 昭彦 2001年8月3日

 好きな画家をあげろといわれたら、コンスタブルは間違いなく入る。すぐにでもその絵の中に入り、午後のひと時を過ごしたい。つまりは彼の描く風景が好きなのだ。 美術を学んだわけでなかったので、このコラムを書くために調べていて、 […]