さまざまな音階、さまざまな言葉 小橋 昭彦 2003年4月7日 モーニング娘。の「恋のダンスサイト」がアラビア音階だと話題になったのは何年か前だったか。アラビア音階といっても100以上あるというから、ここではアラビア音階風というくらいの表現にしておこうか。 家にオルガンが置いてあって […]
偽りの自分がほんとうの自分を作る 小橋 昭彦 2003年4月3日 その昔、お箸を持ち歩いていた。持ち箸そのものの環境保全効果というより、宴席などで箸を取り出したときの会話が地球環境の話につながることを期待していた。箸を持ち歩くことで、みずからの日々の生活も少し、環境に気遣うスタイルにな […]
キスは右に 小橋 昭彦 2003年3月31日 科学もけっこうお茶目だ。今年のバレンタインにはNASAからハート型の天体画像が公表されたし、ネイチャー誌には人はキスをするとき右に頭を傾けることが多いという論文が掲載された。後者の論文は、1歳の次男を抱くとき彼が右ばか […]
回転がない 小橋 昭彦 2003年3月27日 大阪の交通科学博物館に入って最初に目につくのは、巨大な蒸気機関模型だ。蒸気によるピストン運動を、たくみに車輪に伝えている。動力の歴史は、力を回転運動に変えることと切り離せない。ワットの貢献はそれだけでなく、回転運動を利 […]
思い込みの歴史 小橋 昭彦 2003年3月24日 ぼくたちには歴史は徐々に発展してきたという思い込みがある。進歩史観と言われるもので、哲学者ヘーゲル、あるいはマルクス唯物史観の影響が指摘される。産業でいえば狩猟採集社会から農耕社会、産業革命へという見方だろうし、戦争で […]
ポロックのフラクタル 小橋 昭彦 2003年3月20日 抽象表現は苦手なんだけれど、ジャクソン・ポロックの絵画はいい。ドリップペインティングという手法で描かれたそれは、とりとめもなく描線が踊りカンバスを埋めている。だけどそこに感じるのは、乱雑さよりむしろ落ち着き。古里の山に […]
歴史という観点 小橋 昭彦 2003年3月17日 記憶が書き換えられるものとすれば、その積み重ねを記述した歴史ってなんだろう。おそらくそれは、地層のように積み重なっているものではなく、記述する人の観点から見た記述にすぎない。そう思いつつ小学館の『スーパーニッポニカ』で […]
嘘をつく記憶 小橋 昭彦 2003年3月13日 時間というとき、ぼくたちは過去から未来へ続く川のようなものを思い浮かべる。その途中に浮いている船が現在だと。しかし、実際には現在という時間を、ぼくたちは船を指すようには示すことができない。示したとたんに、それは過去にな […]
子どもの時間 小橋 昭彦 2003年3月10日 もうすぐ5歳になる長男と、このところ黙想をしている。正座して、目を閉じ、何も考えない。まずは1分間。あんがい静かにしているもので、ちょっと驚いている。ジャネの法則を適用するなら、彼にとっての1分間は、ぼくにとっての8分 […]
孤独なホモ・サピエンス 小橋 昭彦 2003年3月6日 人類の起源について書こうとすると、落ち着かない気分になる。それというのも、今も新発見が続いている分野で、日々見直しが重ねられているから。おまけにぼくたちには、ヒトは一直線に進化したという誤った思いがある。たぶん、四足の猿 […]
出アフリカ 小橋 昭彦 2003年3月3日 人類はアフリカで生まれ、世界に広がった。そう唱えるのが、クリス・ストリンガーを旗手とする「出アフリカ」説。これに対抗するのが、人類は各地域でそれぞれに進化したという「多地域進化」説だ。DNA解析の結果などもあり、現在では […]
トンボの眼鏡 小橋 昭彦 2003年2月27日 トンボの眼は複眼であると理科で習って、悩まれたことはないだろうか。トンボには世界がどう見えるだろうと。いくつもの像が万華鏡のように見えるのだろうか。その答えは、簡単には見つからなかったと思う。動物心理学者のロイド・モー […]