冷える血液 小橋 昭彦 2003年5月19日 1日に1000人。いま全米で心臓停止に見舞われる人数。生存できるのはそのうち3%未満とか。心臓は20分停止していても蘇生する可能性があるけれど、脳は血流が止まると5分前後でダメージを受け始める。脳の損傷を遅らせることが […]
進化する心 小橋 昭彦 2003年5月15日 鼓動の高鳴りという生理的反応を恋愛感情と判断したという心理実験結果は、危険な状況下にある男女が恋におちやすい理由を説明できそうだ。状況が恋愛を生むなんてロマンチックじゃないという人には、こんな考え方はどうだろう。 原始 […]
なぜに悲しい 小橋 昭彦 2003年5月12日 悲しいから涙するのではない、涙するから悲しいのだ。心理学でジェームズ=ランゲ説を説明するとき、しばしば引き合いに出される表現だ。涙という生理的反応が直接悲しみという感情につながるのではないにしても、本質的には外れていな […]
自転の速さ 小橋 昭彦 2003年5月8日 買い物をして家に向かう途上、山の端に日が沈むのを子どもとカウントダウン。天が、というかコペルニクス的には地が動くのを実感する瞬間。自分たちのからだが秒速466メートルで東に向かっているとイメージできるわけではないけれど […]
どちらが重いか 小橋 昭彦 2003年5月5日 1歳になった子どもを抱いて散歩。「大きくなったね」と知人に声かけられて、米袋と同じ重さですから、なんて答える。およそ10キロ。上の子のときも同じように答えていたが、口にしつつ、ほんとうに同じだろうかと疑問を抱いてもいた […]
コトを選ぶ 小橋 昭彦 2003年5月1日 コラムで多数決について書いた週末、町議会選挙の投票日。16の議席に18人の立候補者。用紙に書ける名前は一人、得票数が多い順に議員に選ばれる。こうした単記投票は多数決の結果を反映しにくいと、コラムを書く際に佐伯胖教授の『 […]
気候と歴史 小橋 昭彦 2003年4月28日 100年近く前、地理学者のハンチントンが、気候が人類の進化に影響を与えてきたと唱えた。当時は注目されたが、証拠の弱さもあって20世紀半ばには人気を失う。これは環境考古学を提唱している安田喜憲教授が書いていることだけれど […]
グループで決める 小橋 昭彦 2003年4月24日 決めなくてはいけないことがあって、候補が3つあったとする。話し合って決めるわけだけれど、それぞれの思いがあって決めにくい。そこでまず2つの候補で決をとり、選ばれたほうと、残ったひとつを比べることにする。2つの比較なら決 […]
からだのこと 小橋 昭彦 2003年4月21日 体育座りって、こうやで。風呂場の脱衣所で子どもがそういって、脚を抱え込んだ。幼稚園で習ってきたらしい。かわいいのだけれど、竹内敏晴氏の著作を読んだ後だったので素直に喜べない。大人になると慣らされているが、本来は子どもに […]
音と光の速度 小橋 昭彦 2003年4月17日 これだから人間ってのはおもしろい。世界最高度からのスカイダイビングを計画している人のレポートを科学誌で読みつつ、ため息をついた。上空約40キロメートル。宇宙といっていい空間だ。大気は薄く、予定では身体はどんどん加速、3 […]
常識を疑え 小橋 昭彦 2003年4月14日 1と0をランダムに10個並べてほしい。あなたはどう書くだろう。「1010100110」といった並びが多いだろうか。手もとの表計算ソフトで実際に発生させてみる。1111011110。もう一度。0011000000。同じ項 […]
権威への服従 小橋 昭彦 2003年4月10日 消費者の心を動かす技術を研究した定番書にチャルディーニの『影響力の武器』がある。「返報性」「好意」「希少性」など7つのテクニックが心理学実験や観察記録などをふまえて解説されている。そのひとつに「権威」があって、ずいぶん […]