並行宇宙 小橋 昭彦 2003年6月30日 科学誌の特集に「並行宇宙は実在する」とあった。ちょうど「平行」宇宙が趣向となった山田正紀氏の『ミステリ・オペラ』を読み終えたところ。山田作品において平行宇宙は、エヴァレットの多世界解釈で説明される。 ものごとの状態を確 […]
水切り遊び 小橋 昭彦 2003年6月26日 宇宙船が大気圏に再突入する際に進入角度が重要と知って以来、水切り遊びをするたびそのことを思い出す。平らな石を拾って川岸からサイドスローで投げる、石は水面をぽーんぽーんとはね、向こう岸に向かっていく。波紋を残す水面に、写 […]
エコロジカル・ヒストリー 小橋 昭彦 2003年6月23日 前米大統領夫人が『リビング・ヒストリー』と題する回想録を出版したと聞いて、あらためて米国と日本の「歴史」観の違いを思う。多少題名としての装飾は入っているとしても、「ヒストリー」とは。日本でなら個人の歩みはあくまで回想録 […]
サルとシェイクスピア 小橋 昭彦 2003年6月19日 無限の時間と壊れないタイプライターがあればサルにも詩篇23篇が書ける。進化論支持者として知られるトマス・ハックスレーが、創造論者とディベートしたときに言ったとされる言葉だ。詩篇23篇は「主は私の羊飼い」に始まる。「Th […]
ホタルの方言 小橋 昭彦 2003年6月16日 地元で開かれたヒメホタル鑑賞会に子どもと出かける。いつも川で見るゲンジやヘイケと違って、ヒメは山に棲む。特有のすばやい点滅を探して山へ。残念ながらこの日は見かけない。あまりの人出に隠れてしまったか。 ホタルの語源は火照 […]
喪服の変遷 小橋 昭彦 2003年6月12日 あたりまえと思っている風景が不思議に見える。長く患っていた母方の祖母の葬儀に出たときのこと。棺に花を手向けつつ、死者の白装束と生者の黒い装い、このコントラストはどこに由来するのかと、頭の片隅をよぎる。神聖な色としての白 […]
植物と動物 小橋 昭彦 2003年6月9日 その名も、奇想天外。アフリカ西南部の砂漠に、たった2枚の葉だけで1000年以上も生き続ける植物がある。葉の基部に分裂組織があって、生涯伸び続け、帯のようになる。さすがに葉だけというのは珍しいが、樹木を含めると、植物には […]
再生医療 小橋 昭彦 2003年6月5日 散歩をしようと勝手口を出た足元を、トカゲが走りすぎる。見ると尻尾が切れている、子どもへのいい教材だと思いつつ、自分が子どものころと比べて、トカゲの尻尾の再生についてもずいぶん説明の奥が深くなってきていると、そんなことを […]
ねむり衣 小橋 昭彦 2003年6月2日 ねむり衣(ぎ)とはうまく名づけたものだ。睡眠文化研究所による命名。パジャマというと特定の服装を指すし、ねまきは和風。最近ではTシャツなどを着る人も増え、さて、そうしたものを総称する適切な呼称がない。それで付けられた造語 […]
安心と信頼 小橋 昭彦 2003年5月29日 週末は地元の若者団体主催のレクリエーション。田舎では地縁活動が今も盛んで、消防団や子ども会はもちろん、鹿などが里に降りるのを防ぐ金網を張ったりといった奉仕作業もある。多い人になると毎週のように地域の活動が入る。もっとも […]
生命の道 小橋 昭彦 2003年5月26日 100キロの道の始点に重さ5トンのゾウを立たせる。終点には0.000001グラムのホソバネヤドリコバチ。その間に地上の動物種を大きさの順に並べる。「生命の道」と名づけたこの印象的なたとえに、クリス・レイヴァーズの『ゾウ […]
ゾウの鼻 小橋 昭彦 2003年5月22日 ヒトはゾウと似ている。ゾウの鼻が長い理由を調べていて、国立科学博物館の解説でそんな表現に出会った。ゾウを後ろから見て、ジーンズを履いたお相撲さんを連想したこともあったっけ。むべなるかな、移動に直接関係しない腕まで支える […]