屋根裏の博物館 小橋 昭彦 2001年4月20日 民具。ぼくたちが生活の必要から製作したり使用したりしている品々のことをいう。衣食住に使うものから仕事に使うもの、儀礼に関するものなど、その幅は広い。 身近なものだけに見過ごされがちだけれど、時代を経るとその身近なものが […]
正常化の偏見 小橋 昭彦 2001年4月19日 いま、地震がおこったと想像してみてほしい。3秒後、なにが起こるだろうか。何か落ちてくるとか、倒れるとか。では10秒後はどうだろう。30秒後は、1分後は、30分後は。 こうして、災害後のシミュレーションを、時間を追ってし […]
ニセモノって 小橋 昭彦 2001年4月18日 税関で差し止められる偽ブランド商品は毎年100万点前後。よこしまな商人はあとをたたない。そんなこともあって、「偽」にはよいイメージが無い。 仏教に偽経、というジャンルが知られている。中国へ仏教が伝来してさほどない時期に […]
雪玉が降っている 小橋 昭彦 2001年4月17日 現在、地球上には約14億立方キロメートルの水が存在している。サイコロ状にするなら一辺は1120キロメートル。青森から下関までの直線距離にほぼ等しい。こう表現するとそんなものか、と思われるかもしれないが、では高度1120 […]
ねばっこいだ液 小橋 昭彦 2001年4月16日 上司にしかられているとき、あるいは重要な発表の直前。ねっとりしただ液が口の中に広がり、ごくりと喉を鳴らす、そんな経験のある人は少なくないことだろう。なにせこの世はストレス社会。 米国の社会学者ホームズらによる、ストレスと […]
いましか、言えない 小橋 昭彦 2001年4月12日 言葉は、日々新しい。ほぼ10年ごとに改訂されている三省堂国語辞典の場合、新版が出るごとにおよそ3000から4000の新項目が加わっている。1日にひとつは辞書掲載レベルの言葉が生まれている計算。いまの新聞を調べると、カタ […]
大地の下、水は流れ 小橋 昭彦 2001年4月11日 そう、わが家にも井戸があった。汚れて帰った夏の午後、腕に足に、ひんやり冷えた水を浴びた。スイカをつるして冷やしたりもしたっけ。あの井戸水は、どのくらいの年を経た地下水だったろう。 地下水の年齢は、地域によっておおきな差 […]
鼻呼吸 小橋 昭彦 2001年4月10日 きなくさい、という。類焼にあったときのあの匂いはまさに字義どおりだったと思い出す。ともあれ、きなくさい奴といった表現を生むほど、危険を察知するのに、嗅覚は人間にとって重要な情報源だったわけだ。 危険を察知するだけではな […]
門 小橋 昭彦 2001年4月9日 字形からいえば、二枚扉の上に横木を掛け渡したのが門。一枚扉の「戸」と区別されてきたわけだが、屋外に独立して建つのを門、建物の出入り口を戸、という使い分けもあって、現代の日本における用法はそれを伝えている。 門はもちろん […]
夜の白い家 小橋 昭彦 2001年4月6日 フィンセント・ファン・ゴッホの作品に『夜の白い家』という絵がある。最後の数カ月を過ごしたパリ郊外のオーベール・シュル・オワーズの風景を描いたもの。赤い屋根の白い家、その右上にひときわ明るく輝く黄色い星。 この絵の描かれ […]
ハエ以上、イネ以下 小橋 昭彦 2001年4月5日 遠足の前の日、200円を手に友だちと連れだって学校近くの駄菓子屋へ。上限とされるその金額以内で、どんなお菓子を揃えるかが楽しみだった。 人間の遺伝子の数がおよそ3万個と、これまでの10万個という予想より少ないことが話題 […]
郵便差出箱 小橋 昭彦 2001年4月4日 日本に初めてポストが設置されたのは1971(明治4)年のことだ。名称は一定ではなく、書状集め箱などと呼ばれたりしていたという。翌年には角柱型の木製ポストが登場。黒塗りで、表に大きく「郵便箱」。これをはじめてみた人が「た […]