税関で差し止められる偽ブランド商品は毎年100万点前後。よこしまな商人はあとをたたない。そんなこともあって、「偽」にはよいイメージが無い。
仏教に偽経、というジャンルが知られている。中国へ仏教が伝来してさほどない時期に作成された経典。インド仏教の原典からの翻訳ではなく、中国製だ。そういう意味で「ニセモノ」とされている。
ただ、偽経が庶民に何ももたらさなかったかというと、そんなことはない。たとえば「三途の川」。この考え方を広めた「地蔵十王経」は偽経だ。あるいは「お盆」。サンスクリット語で「さかさまにつるされた苦しみ」を意味する「ウランバナ」が語源で、その苦しみから救うために先祖供養する、というところからきているとされている。その典拠となった「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」も偽経だとか。仏教が庶民に浸透していくのに、偽経の役割はむしろ大きかった様子。
見方を変えれば、『般若心経』など大乗仏教の経典にしたところで、ブッダの滅後数百年、新しい解釈のもとで書かれたもの。それだって「ニセモノ」といえなくはない。いや、それを言い始めたら、ブッダ自身の手にならないすべての経典もまた。
車が好きなうちの息子。いつもおもちゃを片手に、ブロックで作った道の上をぶーんと走らせている。小さな、ときには壊れてもいるおもちゃだけれど、その瞬間、彼は確かにホンモノの喜びとときめきを感じている。
ニセモノってなんだろう?
お盆については「仏教用語の豆知識」などをどうぞ。偽ブランド商品の現状については、「偽ブランド商品等の輸入差止状況」を。
今日の没ネタ。ベルギー北部の町、第一次大戦の遺物、地下トンネルの影響で住宅倒壊の危機(朝日3月21日)。アフガニスタン・カブールの物乞いの少女「夢は」に答えなし(朝日3月22日)。香港高層ビルでお祓い(朝日3月24日)。
ニセモノって。おもしろいテーマですね。ぼくは、コ
ピーというものの捉え方だと思います。コーピーを、
どうとらえるか。それはブランドもののコピーも、書
籍のコピーも、コピーとして使う場合と、コピーでな
く、オリジナルに見せて使う場合で、まったく違うこ
とになると思います。往々にして、コピーをオリジナ
ルに見せるときに、悪いことが起こります。また、コ
ピーをコピーとして使うときは、よい結果が出る方が
多いのではないでしょうか。学生時代のノートのコ
ピーですら。