歯は鱗(うろこ)と同じ起源を持つという。意外に思い、ページを繰る手を止めた。爬虫類に関する書籍に目を通していたときのこと。哺乳類は爬虫類との共通祖先から分かれたと考えられているから、とするとぼくたちの歯も鱗と多少なりとも関係するということか。
田舎に住むようになって、爬虫類と出会う機会が増えた。畑の畦を歩いているとヘビが開けたらしい穴が次々にある。夜、商工会館で会議をしていると、窓の外にヤモリがはりついているのを見つけたりもする。子どもたちはヘビの尾を持って振り回しもしているが、さすがにそれはできない。ともあれ少し調べてみようと考えていた折、タイミングよく『爬虫類の進化』という新刊が出ていた。
トカゲに第三の眼があるというのも意外だった。読み進めると、もともと脊椎動物には頭部の側面と背面に一対ずつ光を感じる器官があったと考えられているという。つまり眼が4つ。うちふたつが現生の脊椎動物の眼となり、残り一対のうちひとつが、頭頂眼としてトカゲ類に残っていると。ただ、それが何の役割をしているかは不明。温度調節に役立っているのではともされている。カンブリア紀にオパビニアという5つ目の生物がいたとは知っていたが、こんな身近なところに2つ目以外の流れがあるとは。
ヘビの眼の話もおもしろい。一般の陸上脊椎動物では、筋肉で水晶体を上下に引っぱって厚みを変化させピントを合わせる。ところがヘビ類では水晶体を前後に動かしてピントを合わせるのだ。いったんピント合わせ能力を失って再度獲得したためではとされている。ならばヘビはどんな進化を経てきたのか。そもそも足がなくなったのはなぜだったか。半地中生活を送ったとも水中生活を送ったとも推測されている。
カメはともかく、ヘビもトカゲもワニも、できれば遠慮したいのが爬虫類。しかし、子どもはそんな不思議を直感的にさとってか、爬虫類とも親しんでいる。キライと目をそむけるより、思い切ってふみこむと、新しい世界に触れることができるのだな。表に出ては、草むらに目を凝らしている。
書籍『爬虫類の進化』はこちら。歯の起源を確かめようと出会った「魚の進化」はおもしろかったです。爬虫類データベースとしては、「爬虫類・両生類図鑑」「THE EMBL REPTILE DATABASE」などをどうぞ。その他、「Rep” s Search」「ペット(爬虫類・両生類) 」「日本の鱗たち」も有益。このところの爬虫類ペット人気で、あんがい情報がありました。
私は三十代の女性です。爬虫類は昔から好きで、現在もヤモリなど見掛けるとついつい触ってしまいます。大抵逃げられますが。蛇は本当に、滅多と見る事がなくなりました。子供の頃は家の三和土の穴や天井から出てきたものですが(母は絶叫していました)。
犬や猫と一緒に亀も飼っていますが、あの無表情がおもしろくてつい見入ってしまいます。
ヤモリ・トカゲの動きをみていると、頭頂眼の存在も肯けるような気がします。
なんだか戯言を連ねてしまい失礼しました。
私は、昆虫も爬虫類も駄目です。(涙
絶叫したりはしませんけど…。
よくまあ、いろいろ、研究されています。
それでこそ、雑学のたいかですね。
2002/8/3
山材茂夫
爬虫類はお互い手の届かないところから見ている分には
面白い生き物だなあと思います。
頭部側面と背面の光を感じる器官があったというのが
興味深かったです。
後ろに目がついているような人っていますよね。
背後の気配に敏感なというか・・・。
その器官の名残なのかなあと思いました。
ヒトに進化していく過程で退化してしまった器官。
名残を持っている人は進化していないということ?