4歳になって経験から覚えたけれど、半年ほど前まで、右と左をどう教えるか迷ったものだ。上と下、前と後ろは教えやすい。しかし右と左はどう教えるのか。「お箸を持つ手が右」というのは、左利きの人だっているし、場あたり的で避けたい。「心臓の無い方」というのは難しすぎ、それとて1万人に1人は右に心臓のある人がいる。
動物には左右がある。ヒラメやカレイの眼が生後移動して左あるいは右に偏る話は以前した。巻貝は右巻きが大多数だが、そのしくみは謎。モノアラガイの交配実験によると、左巻きの殻は右巻きの殻に比べて大きいということで、左右を決める遺伝子が大きさにも影響を与えているらしい。
ケニアの天然森林でツグミの一種の足の大きさを測ったのは、アントワープ大学の研究者たち。環境が悪化している地域の鳥の足ほど、左右の大きさが違ったそうで、左右が非対称ということは絶滅の危機に向かっているしるしではないかと説いている。ただ、統計上の誤差ではないかという指摘もあり、論争に決着はついていない。
人間の内臓も非対称の典型。心臓だけじゃなく、対称に見える肺だって左は2つ、右は3つのブロックに分かれているし、肝臓は右で、胃は傾いている。マウスには体の左側を決める「レフティー」という遺伝子も知られているが、それで納得してはいけない。そもそも遺伝子はどうやって右と左を知るのか。
科学技術振興事業団の発表によると、マウスの左右を決めるのに、胚の中心部で流れている液体の流れが影響していることがわかったという。通常は時計回りに流れている方向を人工的に変えると、左右逆の個体に成長するのだ。とはいえ、なぜ液体が時計回りになっているかと問うとそれは謎で、発見がさらなる謎をよんでいる。
ぼくの左手を、きみの右手とつなごう。きみの左手は、次の人の右手へ。右と左、深い謎の世界。それでも、右と左があるおかげで、ぼくたちは手をとり、輪となることができる。
胚の液体の流れと左右決定は「人工的に作った水流が体の左右を変える」をどうぞ。巻貝の左右の違いと大きさの差は「信州大学 浅見崇比呂 助教授」の研究です。アントワープ大学のグループによるツグミの研究は「「非対称」は絶滅のサイン?」にわかりやすいです。
うちは5歳と3歳ですが、そういえば、5歳の方は左右がわかりますが、3歳はまだわかりませんね。とはいえ、5歳の方にも「教えよう」としたことはないような気がします(妻が教えていた可能性はありますが)。
確かに、概念としての「右」「左」をことばだけで正確に教えるのは難しそうですが、そもそも抽象的な概念を言葉だけで教えるのは、なんにせよ難しいのでは?「右」「左」に関しては、「右手に持ちなさい」といいながら右手を指さしたり、たたいたり、「こっちの靴は右足」といいながら右足にはかせたりしているうちに、子供の方で勝手に覚えるのでは、という気がします。
今は、絵本に出てくる言葉を説明するのに苦心しています。おとなにとって常識的なことばを、さらにやさしく説明するのは、本当に大変です。
つきあっている彼女が、よく左右を間違えます。
特にドライブ中。
私がドライバー、彼女がナビゲーターで、よくある会話。
彼女:次の交差点を左ね。
私:はいよー。(と、左折)
彼女:なんでこっちに曲がるのー?
どうしたら良いものやら……?
私の場合、左右を覚えたのは確か...
箸やスプーンを使う手が右手だと
保育園の先生に教えられた記憶がある。
利き腕が右手なので必ず右に箸を持つ。
だから、箸を持つ手が右手、
その逆の手が左手。
左手を覚えるのに、
右手の逆が左手と覚えてる。
これは右利きの場合で、
もし左利きだったら逆で覚えていたのかもしれない。
もし、両利きだったら...
どう覚えていたのだろう。
謎だ。
結局、右や左も人間が勝手に決めたものであって、
自然界では特に決まっていないのかもしれない。
こちら側が右、
逆にこっち側が左
というふうに決めただけだと思う。
案外単純なものかも。
>巻貝は右巻きが大多数だが、そのしくみは謎。
この部分が気になり、もしかしたら北半球と南半球で違うのではないかと思いました。
ネットで色々調べましたが諸説あるようで決定的な解説はみつかりませんでした。
「さざえの殻を上から見ると反時計回りに渦を巻いている。南半球ではさざえなどの巻貝の巻き方は北半球とは反対で時計回りになっているそうだ。日本のさざえを南半球で養殖しても3世代目にはすべて時計回りの殻になってしまうようだ。」という説。
「地球の自転の向きが影響して右巻が多いは、どうやら違いようです。南半球の貝も右巻だし、北半球にも左巻がいる。」という説。
定説はないようですね。
やはり小橋さんが言っているように謎なのか?