雑学コラム

小橋 昭彦 2003年6月5日

 散歩をしようと勝手口を出た足元を、トカゲが走りすぎる。見ると尻尾が切れている、子どもへのいい教材だと思いつつ、自分が子どものころと比べて、トカゲの尻尾の再生についてもずいぶん説明の奥が深くなってきていると、そんなことを […]

小橋 昭彦 2003年6月2日

 ねむり衣(ぎ)とはうまく名づけたものだ。睡眠文化研究所による命名。パジャマというと特定の服装を指すし、ねまきは和風。最近ではTシャツなどを着る人も増え、さて、そうしたものを総称する適切な呼称がない。それで付けられた造語 […]

小橋 昭彦 2003年5月29日

 週末は地元の若者団体主催のレクリエーション。田舎では地縁活動が今も盛んで、消防団や子ども会はもちろん、鹿などが里に降りるのを防ぐ金網を張ったりといった奉仕作業もある。多い人になると毎週のように地域の活動が入る。もっとも […]

小橋 昭彦 2003年5月26日

 100キロの道の始点に重さ5トンのゾウを立たせる。終点には0.000001グラムのホソバネヤドリコバチ。その間に地上の動物種を大きさの順に並べる。「生命の道」と名づけたこの印象的なたとえに、クリス・レイヴァーズの『ゾウ […]

小橋 昭彦 2003年5月22日

 ヒトはゾウと似ている。ゾウの鼻が長い理由を調べていて、国立科学博物館の解説でそんな表現に出会った。ゾウを後ろから見て、ジーンズを履いたお相撲さんを連想したこともあったっけ。むべなるかな、移動に直接関係しない腕まで支える […]

小橋 昭彦 2003年5月19日

 1日に1000人。いま全米で心臓停止に見舞われる人数。生存できるのはそのうち3%未満とか。心臓は20分停止していても蘇生する可能性があるけれど、脳は血流が止まると5分前後でダメージを受け始める。脳の損傷を遅らせることが […]

小橋 昭彦 2003年5月15日

 鼓動の高鳴りという生理的反応を恋愛感情と判断したという心理実験結果は、危険な状況下にある男女が恋におちやすい理由を説明できそうだ。状況が恋愛を生むなんてロマンチックじゃないという人には、こんな考え方はどうだろう。 原始 […]

小橋 昭彦 2003年5月12日

 悲しいから涙するのではない、涙するから悲しいのだ。心理学でジェームズ=ランゲ説を説明するとき、しばしば引き合いに出される表現だ。涙という生理的反応が直接悲しみという感情につながるのではないにしても、本質的には外れていな […]

小橋 昭彦 2003年5月8日

 買い物をして家に向かう途上、山の端に日が沈むのを子どもとカウントダウン。天が、というかコペルニクス的には地が動くのを実感する瞬間。自分たちのからだが秒速466メートルで東に向かっているとイメージできるわけではないけれど […]

小橋 昭彦 2003年5月5日

 1歳になった子どもを抱いて散歩。「大きくなったね」と知人に声かけられて、米袋と同じ重さですから、なんて答える。およそ10キロ。上の子のときも同じように答えていたが、口にしつつ、ほんとうに同じだろうかと疑問を抱いてもいた […]

小橋 昭彦 2003年5月1日

 コラムで多数決について書いた週末、町議会選挙の投票日。16の議席に18人の立候補者。用紙に書ける名前は一人、得票数が多い順に議員に選ばれる。こうした単記投票は多数決の結果を反映しにくいと、コラムを書く際に佐伯胖教授の『 […]

小橋 昭彦 2003年4月28日

 100年近く前、地理学者のハンチントンが、気候が人類の進化に影響を与えてきたと唱えた。当時は注目されたが、証拠の弱さもあって20世紀半ばには人気を失う。これは環境考古学を提唱している安田喜憲教授が書いていることだけれど […]