山を上へ下へ行く「峠」。雨が下に落ちる「雫(しずく)」。神様に供える「榊(さかき)」。よくできた漢字だと思っていたら、これらは日本でその意味から作り出された和製の漢字、つまりは国字だという。
中国にない事物を表すときや、漢字で表現しにくい概念を表すとき、記述が冗長になることを避けるため、新しく漢字が作られてきた。それが国字だ。新井白石が『同文通考』で取り上げたのが81字なのに対し、在野研究家の大原望さんがデータベース化している国字は2700字。これまで知られてきた以上に、多くの国字が考案されてきたらしい。
一般に国字は訓読みだけで音読みがないとされているが、「腺」や「鋲」は訓読みだけだし、「働」には音読みも訓読みもあるので、かならずしもそうと限らない。
また、たとえば明治時代に人力車を指すものとして用いられた「俥」のように、一般に国字と思われていながら、じつは中国生まれの漢字というケースもある。たしかに人力車の意味で使うのは日本だけだけれど、13世紀頃、中国の将棋の駒を表すのにすでに用いられていたのだとか。
国字は、樫(かし)など草木に関するものや、鰯(いわし)、鱈(たら)など魚にまつわるものにも多い。鱈の字は中国に「輸出」されてもいる。昔の人は、身のまわりの自然を漢字で表そうと工夫を重ねたのだろう。
新しいところでは粁(キロメートル)や瓲(トン)など単位を表すものも知られている。もっとも最近では、パソコンで表記できる文字が限られていることもあって、新しい文字を作ろうという工夫もあまり見かけなくなった。ま、顔文字なんてのは新しい国字かもしれないけれどもね(^_^)。
国字については、「和製漢字の辞典」をご参照ください。また、漢字に関して、「文字鏡研究会」も有益です。
ツッコミで申し訳ないです。
「ビョウ」と「セン」は音読みだけということですよね。
良く寿司屋の湯飲みに書いてある魚の漢字は眺めているだけで楽しいですよね。由来を考えたり。
まさに酒の肴<落ちてない
毎回楽しく拝見させていただいております。
漢字の読みについてのコラムを見て生前祖父が言っていたことを思い出しました。「晒(さら・す)」と「泊(と・まる)」という意味の異なった2つの漢字。字体をみると西に日が沈んだら「とまる」のであって水につけて白くなるのが「さらす」じゃないのだろうか?どこかで読みと体が入れ替わったように思いませんか?
糎はセンチメートル、粍はミリメートル。
ん、3割3分3厘3毛 = 0.3333 なのに何で
米+厘=0.01メートル、米+毛=0.001メートル なん???
ってむかし思った。調べてみたら意外なことを知ってしまった、というか学んだのでした。でも学校では 1厘=0.001 って習ったからなぁ。
うーーん、このことってみんな知ってるのかなぁ。
(知らなかったのはひょっとして俺だけ???)
ASHさん、ありがとうございます。そのとおりです。訂正させていただきます。
>「腺」や「鋲」は音読みだけだし、
何で 米+厘=0.01メートル? って思ったときのこと。
そういえば 「九分九厘問題ない!」 っていうのもおかしいよなぁ
と疑問に思ったものでした。
「9.9%問題ない!」 って実は大問題じゃん!!
でも見事解決!!
何ておバカな俺なんでしょう。。。
日本語って難しいね。
国字…大変面白く読みました。ここではその反対に中国人が用いる当て字を紹介します。
朱古力士…チョコレート
三文治…サンドイッチ
美利加…アメリカ
多倫士…トロント
加奈多…カナダ
又、鮭の字は漢字ですが、南中国からの移民が多いトロントでは、鮭の字を知らない中国人が大部分です。因みにここトロントの中華街の魚屋さんは「三文」と書いてサーモンと読ませていました。
たろーさん、今日は。
そういうのを「一貫三百どうでもいい」って言うんだよね。アーッ、尺貫法が懐かしい。メートル法では冗談にもなりません。
エーッ、「1.3キロどうでもいい」…この辺でやめましょう。
Nick
>ま、顔文字なんてのは新しい国字かもしれない
>けれどもね(^_^)。
顔文字って日本人だけしか使わないのでしょうかね?
表情は万国共通でしょうが・・・。
(-_-; ・・・通じるかな。
ほかの国はわかりませんが、英語の場合は、:-)のように横置き(というのかな)が中心ですね。日本の顔文字はだんぜん豊かだと思います。
顔文字については、「顔文字のページ」に詳しいです。
何時も楽しくかつ感心しながら読まさせてもらっています。
お米の刈り取りお疲れさまでした。
今年の作柄は、いかがでしょうか?
虫の音 すすきの穂 萩の花 栗の実 確実に秋はやって来ます。
新米 栗きんとんなどが食べたいと思うこの頃です。