小橋 昭彦

小橋 昭彦 2002年7月29日

 夏の朝、子どもとラジオ体操に向かう途上、道の両脇にたくさんのミミズが群れているのに出会う。多くは陽光に干からびかけている。まるで集団自殺。なにがミミズを路上に迷わせたのか。 ミミズは日中は土の中で静かにしている。夜にな […]

小橋 昭彦 2002年7月25日

 フランセス・アッシュクロフトによる『人間はどこまで耐えられるのか』は、全米オープンで優勝したプロゴルファー、ペイン・スチュワートの飛行機事故を紹介するところから始まっている。高度1万1300メートル、なんらかの原因で機 […]

小橋 昭彦 2002年7月22日

 4歳になって経験から覚えたけれど、半年ほど前まで、右と左をどう教えるか迷ったものだ。上と下、前と後ろは教えやすい。しかし右と左はどう教えるのか。「お箸を持つ手が右」というのは、左利きの人だっているし、場あたり的で避けた […]

小橋 昭彦 2002年7月18日

 疲れからだろうか、突然の発熱でふせっていたのだった。喉がはれて、40度近い熱が出る。子どもの頃はよくやったものだが、最近無かった。それで、高熱を指し示す体温計を懐かしく見つめる。 もっとも、デジタル表示の電子体温計と違 […]

小橋 昭彦 2002年7月15日

 ぼくは「ぼく」を用いている。編集者に原稿を渡すと、媒体によっては「ぼく」が「私」に変わっていることがある。それを見て、「私」に変わった「ぼく」って何者だろうと考える。自分はそこにいるだろうか。それならと、その媒体向けに […]

小橋 昭彦 2002年7月11日

 喜びや痛みと脳の活動の関係を前回述べた。そうした探求は、じつは最終的にひとつ大きな疑問とつながっている。心と、脳の関係だ。心脳問題と呼ばれたりする。ぼくたちの心はどこで生まれているのか、という問いかけ。 心は精神的なも […]

小橋 昭彦 2002年7月8日

子どもと接するとき、つい「残さず食べたらデザートだから」とか「お片づけしてから絵本読もう」とか、あることを成し遂げてから何かいいことがある、といった表現をしてしまう。打算的な言い方はいけないなあ、と思いながらやってしまう […]

小橋 昭彦 2002年7月4日

 田舎に越してきて、5キロほど体重が減った。動く距離が違う、畑の野菜を中心に食事をする、そんなことが奏効しているのだろうか。標準体重になって以降は減らない。 京都大学の清野裕教授らの研究によると、肥満になるには、十二指腸 […]

小橋 昭彦 2002年6月30日

 定期購読している科学誌に「クジラが歩いていたころ」と題した特集があり、そういえばここ数年新しい発見が続いていたと思い出す。哺乳類であるクジラが魚のような姿になったことは、よく収斂(しゅうれん)進化の事例として取り上げら […]

小橋 昭彦 2002年6月27日

 いま利用しているコンピュータは、暇になると地球外生命探しをしている。もちろんどこかに出かけるわけじゃなく、電波望遠鏡のデータを解析し、地球外生命が発したと思われる有意の信号を探しているのだ。同じようなことをしている人が […]

小橋 昭彦 2002年6月24日

 数学が好きだった。社会人になってしばらく、朝のひととき高校生向けの問題集を一問ずつ解いて過ごしていたものだった。たったひとつの回答に至るシンプルさが好きだったのかもしれない。 世の数学書ブームにおされて、ゼロをめぐる博 […]

小橋 昭彦 2002年6月20日

 残念、日本代表。それはともかく、スタジアムを埋め尽くした青のTシャツを見て、あの中に放り込まれたら、たとえ熱心なサッカーファンでなくても熱狂的なサポーターに変わったろうと想像した。それでふと、悪気はないのだけれど「監獄 […]