小橋 昭彦

小橋 昭彦 2002年12月2日

 物理学的に時間に「流れ」がないとすれば、時間旅行も可能なはず。もちろん心理面からみるなら、あなたの得意げな話を相手がつまらなそうに聞いていたとして、1時間後「あ、一瞬だったね」とあなたが思ったなら、相手にとっての永遠の […]

小橋 昭彦 2002年11月28日

 コニー・ウィルスの『航路』を読む。臨死体験を科学的に追った小説だ。ぼくたちの認識と脳はどう関係しているのだろうと思いつつ、夜明けまで読みふけっていた。今年のベストのひとつ。こんなときは時間が短く感じられる。 物理学的に […]

小橋 昭彦 2002年11月25日

 蚊について書いたところ、西ナイルウィルスが心配ですねと投稿をいただいた。米国で社会問題になっているとも聞く。ちなみに米国が蚊による伝染病の危機にさらされたのはこれが初めてではない。かつて黄熱病に襲われた時の記録は、いま […]

小橋 昭彦 2002年11月21日

 創刊号の復刻版につられて購入した現代用語辞典。1948年版というから、戦後3年目。内閣用紙割当の都合で語数を減らしたとある。時代の空気を想像しつつページを繰る。と、政治用語の解説に「複雑怪奇、臣道実践、承諾必謹などとい […]

小橋 昭彦 2002年11月18日

 江戸時代に発展した日本独自の数学、和算。代表的な名をあげるなら、17世紀に活躍した関孝和だ。彼が行列式の理論を記した「解伏題之法」を表したのは1683年で、ライプニッツより早い。その弟子建部賢弘が「綴術算経」を時の将軍 […]

小橋 昭彦 2002年11月14日

 日本人の平均寿命は伸びている。それでつい勘違いしがちなのだけれど、最大寿命については、伸びているわけではない。これまでもっとも長生きしたのは1997年に122歳で亡くなったフランス人女性。人間の最大寿命はほぼそんなとこ […]

小橋 昭彦 2002年11月11日

 手術をした父が言っていたが、麻酔の注射はとても痛いのだとか。痛みを感じさせなくする注射が痛いとはさて、痛くない注射はないものか。 あるのである。蚊の針だ。蚊が血を吸うときに送り込む唾液には、血が固まらないようにする成分 […]

小橋 昭彦 2002年11月7日

 法事に来てもらった和尚さんから、数珠は計算機だと聞く。珠は煩悩の数である108つ。念仏を唱えるとき、ひとつづつ繰りながら唱える。ひとまわりすれば、二連になったもうひとつの輪の珠をひとつ繰る。こうして1万回唱えるときも、 […]

小橋 昭彦 2002年11月4日

 文章は、手を入れれば1割か2割は短くなる。ほとんどの接続詞は削除可能だし、同じことを繰り返していたり不要な説明だったりする箇所も必ずある。オッカムがざりっざりっと削ってくれるわけだ。 オッカムというのは14世紀のスコラ […]

小橋 昭彦 2002年10月31日

 カーネギーメロン大学のホルト助教授によると、世界中の言語を集計すると、少なくとも558の子音と260の母音、51の二重母音があるのだという。半年を過ぎた頃の乳児は、これらすべての音素を区別できる。その後、第一言語にあわ […]

小橋 昭彦 2002年10月28日

 龍安寺の石庭が人の心をひきつける秘密は「木」にあるという研究発表を、興味深く読む。石庭を見るとき、人は脳裏に石の間を縫うようにして伸びる木の枝を思い描いているのだという。左右対称に伸びた枝は、もっともよい鑑賞位置とされ […]

小橋 昭彦 2002年10月24日

 手術をして後、しばらく身体を動かせない状態にあった父を見ながら、念動力を使えたらと考えたものだった。念動力、あるいはサイコキネシス。今はあまり使われない言葉だろうか、子どもの頃は超能力ブームもあって、ずいぶんあこがれた […]