マインドフルネス 小橋 昭彦 2018年12月21日 今日から1カ月、ブータンからの留学生を預かる。 GNH(国民総幸福量)で知られる国。実際に同国で暮らした人の話では、あれほどお年寄りの笑顔が印象的な国は無いという。 お金があると幸福かというとそうではない。国民一人あたり […]
地面の下の菌類の世界 小橋 昭彦 2018年12月1日 マンチェスター大学の研究者らが注目したのは牧草地だった。 ゆっくりと成長する植物がある一方で、生き急ぐように一生を終える植物もある。まるで「ウサギとカメ」の世界だと、研究者は例えている。その違いを生んでいるのは何だろう? […]
クジラとストレス 小橋 昭彦 2018年11月22日 その昔、クジラには耳があった。水中で過ごすようになって不要になり、耳垢をかきだす機構が失われ、クジラの耳には年々耳垢がたまっていくようになった。 クジラは回遊するので、その耳垢は1年ごとに縞模様ができる。栄養豊富な夏は脂 […]
信じる人は長生きする 小橋 昭彦 2018年11月15日 あなたは他人を信頼しますか? そう尋ねられて「はい」と答えられる人は、そうでない人よりも長生きできるかもしれない。アメリカでの統計データを分析したルンド大学とストックホルム大学の研究者らが見出した結論だ。 気になるネタを […]
レジリエントな世界への処方箋 小橋 昭彦 2018年11月9日 レジリエンスという言葉が目立ち始めたのは、2011年の震災以降のことだったろうか。傷ついても回復する力のことを言う。必ずしも心理的な用法ばかりではないが、回復力とか、逆境力とか訳されたりもする。 大きな災害や近しい人の死 […]
仮想体験からの脱出 小橋 昭彦 2018年11月2日 ミラーニューロンの発見は1990年代後半のことだった。サルの実験で、実験者の行動を見ているだけで、実際に自分が動いたときに活動するのと同じ脳神経が活性化していたというもの。脳にあっては、空想であっても実体験と同じはたらき […]
思いやりと不安と 小橋 昭彦 2018年10月26日 京都大学の研究グループがこのほど、育児経験と他人の感情の読み取り能力の関係について調べた結果を発表した。それによると、子育て経験のある人は、そうでない人より、他人の表情から感情を正確に読み取ることができたという。 乳児は […]
身心一如 小橋 昭彦 2018年10月19日 15年前のコラムで、心の痛みを感じたとき、脳は身体的な苦痛と同じ反応をみせることを書いた。 仏教用語でいえば「身心一如」、あらためてこの言葉を思い出している。 身心一如的な考え方、医学面では「全人的医療」が近い。また心理 […]
退屈な10億年 小橋 昭彦 2018年10月12日 退屈な10億年と呼ぶそうだ。およそ18億年前から8億年前に至るまでの地球のこと。 なぜかといえば、その間、地球にとって大きなイベントが起こらなかったから。 それに先立つ時代には、光合成をおこなうシアノバクテリアが登場して […]
ありがとうネアンデルタール 小橋 昭彦 2018年10月5日 ぼくたち人類が孤独な種であることは以前に書いた。 少なくとも4万年前まで、ぼくたちホモ・サピエンスのそばにはネアンデルタールという種がいた。ホモ・サピエンスとネアンデルタールは、どのように共存していたのだろう。 この10 […]
強くなければやさしくなれない 小橋 昭彦 2018年9月27日 やさしさについて考えるとき、思い出す名セリフがある。 レイモンド・チャンドラーの小説『プレイバック』に出てくる「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」だ。 この言葉は、女性から「あなたのよ […]
やさしさの起源 小橋 昭彦 2018年9月20日 京都大学霊長類研究所が、チンパンジーの利他行動を調べた実験がある。 二つの部屋にチンパンジーを入れる。一方には道具を置き、もう一方にはその道具を使わないと取れない所にジュースを置いた。 すると道具のある部屋のチンパンジー […]