ソロモンの指環 小橋 昭彦 2003年1月30日 カラスが出てくる歌といえば「烏は山に 可愛い七つの子があるからよ」とうたう、野口雨情による童謡があった。ぼくはこれを七歳の幼子と理解していたが、鳥に親しい人にとっては予想外の解釈という。七年も生きて子どもでいるはずがな […]
カラスの帰宅 小橋 昭彦 2003年1月27日 夕焼け小焼けで日が暮れてとうたったのは中村雨紅。子どもの頃、夕方になるとしばしば思い出したものだった。烏と一緒に帰りましょうと歌うときには、ほんとうに夕空にカラスが飛んでもいて。カラスは日没30分前くらいの明るさに相当 […]
太陽からの風 小橋 昭彦 2003年1月22日 宇宙天気予報が現実味を帯びてきたことを書いたのは、1998年、コラム執筆を始めて1年目の夏だった。いまではインターネット上で提供されているこの予報は、日々の太陽風と地球磁気圏の様子を知らせている。 太陽風というのは太陽 […]
方位磁石の向き 小橋 昭彦 2003年1月20日 市販の方位磁石を見ていると水平に思えてしまう地球の磁場。実際には沖縄で約37度、帯広で57度強下を向いている。これがちょうど垂直になる地点がいわゆる磁極。これは北極点や南極点とはずれていて、この50年ほどの間にでも緯度 […]
肌の色 小橋 昭彦 2003年1月16日 その昔、ヒトは全身に毛をまとっていた。二足歩行をするようになって行動半径が広がったヒトは、脳が加熱するのを防ぐため、皮膚を覆う体毛を減らして体を冷やした。ところが皮膚を露出すると、紫外線が直接あたり皮膚ガンが誘発される […]
科学的な捜査 小橋 昭彦 2003年1月13日 犯罪心理学が注目されたと思ったら、こんどは科学捜査らしい。法医学捜査の最前線を描いた『科学が死体に語らせる』に目を通せば、プロファイリングへの皮肉めいた一文もあり、なんだかおかしかった。 ぼく自身が立ち会った15年前の […]
食品サンプル 小橋 昭彦 2003年1月9日 帰省途中に寄ったハイウェイ・オアシス。4歳の長男の注文は「カレーライス」。ウィンドウの食品サンプルを見て悩むこともない。そういえば食品サンプルで選ぶのは、日本生まれの風習という。これは笑い話だが、米国のレストランで食品 […]
抑制するもの 小橋 昭彦 2003年1月6日 思わずひざを打つアイデアがあって、心に残っている作品がある。たとえばポール・アンダースンの『脳波』。ある日を境に地球上の生命の知能が飛躍的に増大するという設定。ぼくたちの地球は、銀河系の端をおよそ2億5000万年かけて […]
ほどよい重さ 小橋 昭彦 2003年1月2日 映画館で子どもは笑い大人は涙していたと話題になったクレヨンしんちゃん『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』をDVDで観る。始まりは1970年万博のシーン。ぼくも行ったが、まだ幼なく行ったという記憶しかない。それでも「月 […]
幸運の確率 小橋 昭彦 2002年12月29日 米国の宝くじ「パワーボール」の抽選で、3億1490万ドルがあたったという。一等の累積賞金が高額になっていたもので、個人の獲得額としては米史上最高だとか。自分で数字を選ぶこのくじの当選確率はおよそ8000万分の1。累積の […]
イヌ、1万5000年 小橋 昭彦 2002年12月26日 高知の桂浜には何度か訪れたが、闘犬は見る機会のないままでいる。なんでも土佐闘犬は幕末に在来の四国犬と外来種をかけあわせてできたものという。日本の犬は、ことに明治以降、このように外来種と交配されたものが多く、純粋の日本犬 […]
数字の魔力 小橋 昭彦 2002年12月23日 鳥類の一夫一妻について、9割は浮気・不倫をすると聞いたと指摘をいただく。調べてみると、出典は米サイエンス誌98年9月25日号。鳥類の子のDNAを調べたところ、一夫一妻制とされる約180種のうち、夫婦だけのDNAを引き継 […]