こころの病 小橋 昭彦 2005年7月28日 ヨーロッパの精神病院は監獄から出発し、日本の病院は寺院から出発したと、『日本精神病治療史』にある。日本では社会の態度が緩和であった証拠ではないかと、著者の八木氏が指摘している。江戸期の精神医療は現在からみても高い水準に […]
なぜ旅を 小橋 昭彦 2005年7月21日 地元で里山ウォークデイなるイベントをここ数年企画し行っている。ウォークといっても道順が決まっていたりガイドがつくわけではなく、集落の地図を片手に自由にのんびり歩いてくださいと、そういう一日だ。民家も開放されているから、 […]
静と動のあいだ 小橋 昭彦 2005年7月14日 あるイベント会場からの帰り、友人と進化についてのとらえ方の話になった。たとえばキリンの首が長いのは、一般には「高い木の葉を食べるため」と考えてしまう。しかしそう表現すると、キリンに首を長くする意思があるように受け取れる […]
音楽と人類 小橋 昭彦 2005年7月7日 音楽はぼくたちにとって何なのだろう。ある研究者が言うように、チーズケーキのように好みの問題なのか。ノーマン・D・クック教授による実験がある。「宝くじで10万円が当たった」といった喜びや「探したけれど、見つからなかった」 […]
現実と想像と 小橋 昭彦 2005年6月30日 リアルとまぼろしの境界。ノースウエスタン大学の研究者らが昨年発表したひとつの実験結果がある。被験者に磁気共鳴画像装置に入ってもらい、単語リストを見せながら、それぞれの単語が表すものを思い描いてもらったもの。なかには実際 […]
健康ということ 小橋 昭彦 2005年6月23日 健康に気をつかうのは、あたりまえなのだろうか。健康観の変遷を振り返りつつ、そんな疑問が頭をもたげてきた。健康という言葉が日本に根付いたのは明治になってからのこと。衛生観が根付いたいきさつは以前のコラムで書いたけれど、健康 […]
超大陸 小橋 昭彦 2005年6月16日 都道府県を組み合わせるパズルを子どもとしながら、なんとはなしにウェゲナーのことを思い出していたのだった。南アメリカとアフリカの海岸線が似ていることからかつてはくっついていたと考え、インドのゴンド民族の土地で発見した氷河 […]
暗号 小橋 昭彦 2005年6月9日 ヴォイニッチ手稿という文書がある。1912年に発見された、奇妙な文字で書かれた中世の文書。暗号だと言われ、第二次世界大戦で日本海軍の暗号を破った米軍の暗号解析者たちが手遊びに解読に挑戦するなどしてきたけれど、いまだ誰も […]
遺伝の条件とやさしさのミーム 小橋 昭彦 2005年6月2日 できるだけ使わないようにしている、と知人の社会学者が言っていた。それほど便利でなんだか納得した気になってしまうからと。 ミームという言葉は、リチャード・ドーキンスが『利己的な遺伝子』で提唱した用語で、生命のように文化も進 […]
自尊心 小橋 昭彦 2005年5月26日 反省という言葉を覚えたのはいつだったろう。授業で反省文を書く課題があり、そのときに言葉の意味とともに学んだのだったか。ニスベットの『木を見る西洋人 森を見る東洋人』の一節に「日本の子どもたちは、学校で自己批判のしかたを […]
NIMBYと幸福感 小橋 昭彦 2005年5月19日 地元集落の隣接地に自動車解体工場が建設されることになり、ごたごたしていたのだった。リサイクル法によって地域への配慮がなされるようになっているとはいえ、何も里山の地にわざわざという思いがある、一方で住民自身、車がないとや […]
サピア=ウォーフの仮説 小橋 昭彦 2005年5月12日 パンダ、サル、バナナから仲間二つを選ぶとき、東洋人はサルとバナナを仲間と答える傾向があることを前回紹介した。同じ実験をpanda,monkey,bananaと英語でやるとどうか。いったん母国語に置き換えない程度のバイリ […]