小橋 昭彦 2005年2月17日

 進化についてよくある思い違いは、意図を組み込んでしまうことではないだろうか。キリンの首は高い木の葉を食べるために長くなった、というような。実際はキリンが自分で遺伝子を操作できるはずも無く、意図的に進化の道を決めることは […]

小橋 昭彦 2005年2月10日

 クジラの祖先パキケタスは、今から5000万年ほど前に登場している。狼のような姿で、クジラとは似つかない。それでも祖先と考えられるのは、耳の構造が似ているからだ。クジラは、下あごで水中の超音波を受け取り、耳骨に伝える。い […]

小橋 昭彦 2005年2月3日

人類と文化の関係を考えるとき、転機となる4つの事件があったという。ひとつ目は約250万年前で、猿人から原人へ進化し、脳の大きさが2倍になったとき。人類は剥片石器を使うようになっている。遺伝子調査の結果からは、アゴの筋肉を […]

小橋 昭彦 2005年1月27日

 土星の衛星タイタンから送られてきた画像に、なぜか懐かしさを感じていた。海のような暗い部分と、渓谷のような筋。零下200度の世界では、海があるとしても水ではなくメタンの海だろう。それでも違った形の生命が存在しないかと、夢 […]

小橋 昭彦 2005年1月20日

 怒りを溜め込んでいると、キレるリスクが高まると信じられている。それにどう対処するか。ちょっと軽いけれど、昨年流行ったフレーズで表現するなら、こんなところか。 暴力的な気持ちになったなら、パンチングバッグでも叩いて発散さ […]

小橋 昭彦 2005年1月13日

 心理的時間を扱った『時間を作る、時間を生きる』を読んでいて、子どもの時間は出来事時間だという指摘が心に残った。チンという呼び鈴を最初と最後に鳴らして40秒を区切って聞かせる。被験者はその後、自分でキーを押して、それと同 […]

小橋 昭彦 2005年1月4日

 人類の進化に、長距離走が役立ったという説がある。約200万年前の原人の化石は、足の長さが1.5倍になるなど、長距離の移動に向いた骨格になっている。これを詳しく調べたところ、原人には、走るときの衝撃に耐えられる特徴が揃っ […]

小橋 昭彦 2004年12月23日

 地元の財団法人から頼まれて、地域観光を考える研究会に手弁当で参加している。いまさら従来型の観光振興でもないので、いろいろ学びつつ悩んでもいるわけだけれど、それはまたいずれ書かせてもらうとして、今回は「八景」の話。おそら […]

小橋 昭彦 2004年12月16日

 法制史を扱ったジャン=ピエール・ボーの『盗まれた手の事件』はこんなフィクションから始まっている。ある人が日曜大工で手を切断する。気を失っている間に、悪意ある第三者が手を拾いボイラーに放り込んだなら、その犯罪はどう裁かれ […]

小橋 昭彦 2004年12月9日

 エコロジカル・フットプリントという言葉がある。人間が環境に与えている影響を示す方法のひとつだ。足跡という言葉のイメージを借りつつWWFによるレポートからのデータを紹介するなら、生物学的生産力からみると、日本には一人あた […]

小橋 昭彦 2004年12月2日

 友人のデザイナーの子は絵がうまい、血は争えない。そう言うと、どうでしょう、ふだん子どもの前で絵を描いていますかと返され、あ、と息をのんだ。血というより、日々の積み重ね。「学ぶ」は「まねぶ」、「真似る」の文語形に通じてい […]