5万年前の壁 小橋 昭彦 2005年2月3日 人類と文化の関係を考えるとき、転機となる4つの事件があったという。ひとつ目は約250万年前で、猿人から原人へ進化し、脳の大きさが2倍になったとき。人類は剥片石器を使うようになっている。遺伝子調査の結果からは、アゴの筋肉を […]
地球外文明との交信 小橋 昭彦 2005年1月27日 土星の衛星タイタンから送られてきた画像に、なぜか懐かしさを感じていた。海のような暗い部分と、渓谷のような筋。零下200度の世界では、海があるとしても水ではなくメタンの海だろう。それでも違った形の生命が存在しないかと、夢 […]
カタルシスの効果 小橋 昭彦 2005年1月20日 怒りを溜め込んでいると、キレるリスクが高まると信じられている。それにどう対処するか。ちょっと軽いけれど、昨年流行ったフレーズで表現するなら、こんなところか。 暴力的な気持ちになったなら、パンチングバッグでも叩いて発散さ […]
出来事時間 小橋 昭彦 2005年1月13日 心理的時間を扱った『時間を作る、時間を生きる』を読んでいて、子どもの時間は出来事時間だという指摘が心に残った。チンという呼び鈴を最初と最後に鳴らして40秒を区切って聞かせる。被験者はその後、自分でキーを押して、それと同 […]
走り続ける 小橋 昭彦 2005年1月4日 人類の進化に、長距離走が役立ったという説がある。約200万年前の原人の化石は、足の長さが1.5倍になるなど、長距離の移動に向いた骨格になっている。これを詳しく調べたところ、原人には、走るときの衝撃に耐えられる特徴が揃っ […]
八景 小橋 昭彦 2004年12月23日 地元の財団法人から頼まれて、地域観光を考える研究会に手弁当で参加している。いまさら従来型の観光振興でもないので、いろいろ学びつつ悩んでもいるわけだけれど、それはまたいずれ書かせてもらうとして、今回は「八景」の話。おそら […]
わが手は誰の 小橋 昭彦 2004年12月16日 法制史を扱ったジャン=ピエール・ボーの『盗まれた手の事件』はこんなフィクションから始まっている。ある人が日曜大工で手を切断する。気を失っている間に、悪意ある第三者が手を拾いボイラーに放り込んだなら、その犯罪はどう裁かれ […]
共有地の悲劇 小橋 昭彦 2004年12月9日 エコロジカル・フットプリントという言葉がある。人間が環境に与えている影響を示す方法のひとつだ。足跡という言葉のイメージを借りつつWWFによるレポートからのデータを紹介するなら、生物学的生産力からみると、日本には一人あた […]
模倣と真正さ 小橋 昭彦 2004年12月2日 友人のデザイナーの子は絵がうまい、血は争えない。そう言うと、どうでしょう、ふだん子どもの前で絵を描いていますかと返され、あ、と息をのんだ。血というより、日々の積み重ね。「学ぶ」は「まねぶ」、「真似る」の文語形に通じてい […]
ネアンデルタールから現生人類へ 小橋 昭彦 2004年11月26日 Nature 現生人類が競争でどういうわけで優位に立ったのかを考察し、より複雑な言語を編み出したことが適応上の決定的な優位性となったのではないかと推定している。
グレイ・グー 小橋 昭彦 2004年11月25日 日本語にすれば、灰色のベタベタとでもいったところ。自己複製できるナノテクロボットが登場し、暴走を始めるとどうなるか。ありとあらゆる有機物を食いつくし、やがて地上は生物のいない灰色の軟塊に覆われてしまう。そんなおそれを表 […]