あくびがうつる 小橋 昭彦 2003年9月29日 このコラムの下調べをしつつ、何度もあくびをしてしまったことを白状する。眠る前だった昨夜はともかく、今朝はさわやか、窓も全開。あくびは集中力がない証拠、酸素不足が原因なんていう説はどうも疑わしい。事実、空気の状態を変えて […]
二足歩行 小橋 昭彦 2003年9月25日 なぜ、ぼくたちは二足で歩くのだろう。手を大地から離し、直立したきっかけは何だったのか。二足歩行はヒトを定義する重要な要素だけれど、この根本的な問いに対して、いまだ定まった説明はない。 大地溝ができて東側がサバンナになり […]
ミイラ 小橋 昭彦 2003年9月22日 世界のミイラ学者が集って3年に1度開催されている「ミイラ会議」。第1回はカナリア諸島で行われ、以降コロンビア、チリ、グリーンランドと開催を重ね、2004年の第5回はイタリアで予定されている。いずれの開催地もミイラに関係 […]
円周率 小橋 昭彦 2003年9月18日 まずは質問から。地球の円周を4万キロメートルとして、ぴったり一巻きしたロープを地上1メートルで巻きなおすなら、どのくらい長くしなくてはいけないか。答え、約6メートル。あんがい短い。円周率と基礎的な公式を知っていれば、計 […]
運転 小橋 昭彦 2003年9月15日 稲刈りの季節、一年ぶりにコンバインに乗る。レバー操作は忘れてしまっているが、運転席に座ってしばらく見ているとよみがえる。ハンドルの役割をするレバー、刈り取り機の昇降機、アクセル代わりのダイヤル。それほど苦労せず思い出せ […]
名づけ 小橋 昭彦 2003年9月10日 テレビの影響で子どもが寿限無を口ずさんでいる。実際にあった長い名前として知られるのは、女性なら麿女鬼久寿老八重千代子、男性なら子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥太郎か。変わった名としては前後左右、富士の高根、外交官などなど。 日 […]
御鳴らす 小橋 昭彦 2003年9月8日 紀元前後2世紀頃のインドのマヌ法典に、身分の高い人に対して放屁したら肛門を切れとある。日本でも古くから恥ずかしいものとされてきたのに、接頭辞の「お」がついている。語源をたどれば、おでんやおなかと同じく、宮中で働いていた […]
バスを待つ 小橋 昭彦 2003年9月4日 路線図に現在の走行位置が示されるバス運行システムを初めて見たのは仕事先に向かっていた奈良でのことだった。それからおよそ十年、当時住んでいた京都でも携帯電話によるバスの位置情報サービスがはじまった。 時刻表通りに来ないバ […]
感情を表す 小橋 昭彦 2003年9月1日 感情を抑制し理性的になることが進歩とされていた時代があったように思う。未来の人間は無表情で論理的に描かれて。そう、SFドラマ『スタートレック』の異星人ミスタースポックのように。その光景が懐かしいのは、おそらく現代では、感 […]
人との間 小橋 昭彦 2003年8月28日 ヤマアラシのジレンマという寓話がある。寒さに震えるヤマアラシのカップル。暖をとろうと抱きあうと、棘で相手を傷つける。といって離れると寒い。ショーペンハウアーによるこの寓話を利用して、精神分析医べラックはヤマアラシ指数な […]
しっぽ 小橋 昭彦 2003年8月24日 たとえば、魚にはしっぽがある。生物学的にいう尾部とは肛門の中心から体幹の後端までを言うそうで、魚の場合ならおおむねぼくらの常識でいう胴体の多くが尾部であったりもする。尾びれは含まない。ややこしいから、ここは一般常識でい […]
自分って何 小橋 昭彦 2003年8月21日 国立国語研究所で外来語の言い換え提案が行われている。案の中に「アイデンティティー」が含まれていて、「自己認識」「独自性」「自己同一性」といった言い換え例があげられていた。identityというつづりには「I」が含まれて […]