雑学コラム

小橋 昭彦 2001年7月2日

 みずからの意の如く伸縮する如意棒。伸びろ、孫悟空の一声で耳から出てきたそれは、天に届くほどにも巨大化する。 清時代、皇帝もまた如意を持っていた。もっともこちらは意の如く大きくなったりはしない。金メッキをし、豪華な彫り物 […]

小橋 昭彦 2001年6月29日

 ペルシア語を学んでいた。ペルシア語のアルファベットは、アラビア語などと同様の、右から左に書く、人に言わせれば「ミミズのような」文字である。一連のつづりの頭に来るか途中にあるか最後にあるかで文字の形が違う。そんな文字で自 […]

小橋 昭彦 2001年6月28日

 恐竜はどんな味がしたのですか。そんな問いに、フライドチキンと答えた研究者がいたとか。鳥類が小型肉食恐竜から進化したという説がもとにある。毛の生えた恐竜の化石も発見されており、恐竜はワニのような肌だったという先入観は崩れ […]

小橋 昭彦 2001年6月27日

 人は、完璧じゃない。失敗は成功のもと、間違いをおそれずのぞめばいい。ただ、同じ間違いを繰り返さないこと。新人時代にそんなことを教わった人も多いことだろう。とはいえ、なぜか間違いには驚くほどのバリエーションがあって、前と […]

小橋 昭彦 2001年6月26日

 乗りこんだ駅では満席だったのに、一駅ひとえきと人が降りていき、終点につくころ車両に残っていたのは、ぼくを含め二人だけだった。いまひとりの女性とは隣の席。移動しそびれてそのままになってしまっている。今さら席を移るのも嫌味 […]

小橋 昭彦 2001年6月25日

 1973年の12月8日。卒業を間近に控えた女子高生3人が自分たちの就職先についておしゃべりをしていた。そのうちひとりの就職先を、別のひとりが「信用金庫なんてあぶないよ」とからかう。朝の通学途中の、たあいもないおしゃべり […]

小橋 昭彦 2001年6月22日

 鏡は人を惑わせる。左右は逆になるのに上下が逆にならないのはなぜという疑問は古来から多くの人を悩ました。プラトンも悩んだしカントも考察している。 言葉のあいまいさと認識の問題が重なって、なんだかややこしい。少なくとも、鏡 […]

小橋 昭彦 2001年6月21日

 庭を歩いていると、梅の古木になにやらぶら下がっている。ミノムシなのだった。中に卵があるのか、あるいは主のいなくなった抜け殻か。風に揺れている。 細かく切った色紙で実験された方もいらっしゃるだろう、ミノムシは糸を出して葉 […]

小橋 昭彦 2001年6月20日

 ビールがおいしい季節。白い泡が浮かんだ生ビールを傾ける至福のひととき。考えてみれば、ビールに限らず、ぼくらの日常で泡に出会わないことはまずない。パン、清涼飲料、石鹸から発泡スチロールまで。 物理学者のドナルド・グレイザ […]

小橋 昭彦 2001年6月19日

 空が黒くなるほどの大群をなして移動し、通過する土地の青い草を食べ尽くす。飛蝗(ひこう)と呼ばれるバッタの群れ。ワタリバッタあるいはトビバッタなどとも呼ばれる。 道端で見かける緑色をしたトノサマバッタなどと比べて、飛蝗の […]

小橋 昭彦 2001年6月18日

 いやあ、暑い。汗も流れる。うっとうしいけれど、体温調節のためとあればしかたない。ただ、湿気が高いと汗はなかなか蒸発してくれない。流れ落ちる汗は、じつは体温調節にはそれほど役立たず、無効発汗なんて呼ばれたりもしている。汗 […]

小橋 昭彦 2001年6月12日

 今日のビールのあては何にしようか。そろそろ旬が終わろうとしているあさりを酒蒸しにして別れを告げるか。鉄板の上で次々に口を開いていくあさりたち。食べてくれと言っているような。 もちろん、そんなはずはないのであって、あれは […]