いやあ、暑い。汗も流れる。うっとうしいけれど、体温調節のためとあればしかたない。ただ、湿気が高いと汗はなかなか蒸発してくれない。流れ落ちる汗は、じつは体温調節にはそれほど役立たず、無効発汗なんて呼ばれたりもしている。汗は蒸発してこそ、気化熱で体温を下げる。
人間の身体はよくしたもので、試みにサウナでワキをしめてみるといいけれど、密着して汗が蒸発しにくい肌からは汗はあまり流れず、外気に露出したところからよく流れる。日本人の汗腺は平均350万個。そのうちおよそ220万個が実際に汗を出す能動汗腺。額や手のひら、足の裏にもっとも多い。
汗腺の数は1平方センチあたり250個以上とか。ひとつひとつは小さいけれど、数が多いゆえ、合計するとばかにならない。成人の1日あたりの発汗量は、約0.5リットルから2リットルだとか。
能動汗腺の数は、生まれ育った土地によっても違う。寒冷地なら200万個たらず、熱帯地方なら300万。汗腺の数はおよそ2歳半までにどれだけの暑さのなかにいたかで決まる。
そんなわけで、去年まではほとんどクーラーをつけなかったわが家も、子どもが3歳になった今年は解禁である。もっとも、類焼からの仮住まいの身、まだ部屋には取り付けていない。しばらくは心頭滅却すれば火もまた涼しでいくけれど、そろそろつけなくっちゃなあ。いやあ、暑くるっしいコラムで失礼。
今日の没ネタ。約2億5000万年前の生物大絶滅、その1千年前との2段階で(日経5月28日)。若い頃から人生を楽しんでいる人は病気になりにくい(朝日5月27日)。対象性の乱れを素粒子の一種で確認(朝日5月15日)。幼少期の栄養バランスが心の成長に関係(日経5月20日)。