草木 小橋 昭彦 2001年8月6日 実家に帰った折に、高校生のころ読んだオールディスの『地球の長い午後』を読み返す。はるかな未来、地球は太陽に同じ面を向けて静止し、植物が支配する世界になっている。昼の側の半球をおおう一本のベンガルボダイジュ、月まで旅する […]
印象派 小橋 昭彦 2001年8月3日 好きな画家をあげろといわれたら、コンスタブルは間違いなく入る。すぐにでもその絵の中に入り、午後のひと時を過ごしたい。つまりは彼の描く風景が好きなのだ。 美術を学んだわけでなかったので、このコラムを書くために調べていて、 […]
パノラマの時代 小橋 昭彦 2001年8月2日 パノラマという言葉の語源は、ギリシア語にある。pan(すべて)とhorama(眺め)の合成語だ。考案したのはイギリスのパーカーで、1788年のこと。名前の通り、周囲すべてを見渡せるというほか、時代や地域的制約をも超える […]
縄文語 小橋 昭彦 2001年8月1日 インド映画『ムトゥ 踊るマハラジャ』に、主人公が馬車による逃走からふと気づくと言葉の通じない地方に来ていててんやわんやするエピソードがある。日本の言葉事情に慣れた身からはそんな光景がひどく新鮮。インドの公用語は英語とヒ […]
上へ下へ 小橋 昭彦 2001年7月31日 日本の高さの基準は、東京都千代田区永田町にある。高さ24.414メートルの、日本水準原点だ。国土地理院では、100年あまり前から現在まで、この高さを基準に全国に約1万点ある一等水準点を測量する全国水準測量を行っている。 […]
音で解決 小橋 昭彦 2001年7月30日 モーツァルトを胎教音楽にするとか、栽培野菜に聴かせて生育をよくするという話はしばしば聞くが、犯罪抑止にも役立つらしい。 米フロリダ州の犯罪多発地域で地元警察がモーツァルトなどのクラシック音楽を流したところ、昨年前半11 […]
ブリキの時代 小橋 昭彦 2001年7月27日 夏の一日、百貨店で行われていたおもちゃの歴史展に出かける。会場に並べられたブリキのおもちゃの数々が懐かしい。不思議だ、ぼくが子どもの頃には、時代はすでにブリキからプラスチックや超合金に移っていたはず。これがブリキの持つ […]
水辺の進化 小橋 昭彦 2001年7月26日 7月にはいって、約550万年前の猿人の化石がエチオピアで見つかったと報道された。現在有力になりつつある見方では、人類と現生の類人猿が共通の祖先からわかれたのは、およそ650万年から550万年ほど前のこととされている。だ […]
カップルのゆくえ 小橋 昭彦 2001年7月25日 ずいぶんユニークな研究があったものだ。心理学者のチャールズ・ヒル教授らによるボストン・カップル研究、略してBCS。その名のとおり、ボストン地域の大学に通う2、3年生からカップル231組を選び出して継続調査。継続といって […]
したばき 小橋 昭彦 2001年7月24日 昨日のテーマが「上履き」で今日が「したばき」。ねらったわけじゃないけど、いや、まあちょっとは狙ったとしても、下履きならぬ、下穿の話。 ローライズパンツを履いていると、どうしたって浅いまた上から下着がのぞきそうになる。だ […]
上履き 小橋 昭彦 2001年7月23日 あれはたしかベーブ・ルース伝を読んだときだったろうか。豪傑さを紹介するエピソードとして、寮に朝帰りした話が紹介されていた。見回りにばれないよう急いでベッドにもぐりこんだものの、靴をはいたままだったのでばれてしまった、と […]
なぜ、戦うのか 小橋 昭彦 2001年7月19日 1932年、アインシュタインとフロイトの間で交わされた有名な書簡がある。アインシュタインが国際連盟からの依頼に応じて行ったもので、彼が選んだテーマは、ヒトはなぜ戦うのか、だった。フロイトからの回答には、「人間から攻撃的 […]