モーツァルトを胎教音楽にするとか、栽培野菜に聴かせて生育をよくするという話はしばしば聞くが、犯罪抑止にも役立つらしい。
米フロリダ州の犯罪多発地域で地元警察がモーツァルトなどのクラシック音楽を流したところ、昨年前半119件だった事件通報が、今年前半は83件まで減少したという。音楽を流し始めたのは4月以降だから、年初から流していたらもっと減っていたかもしれない。
音の効果という連想で、アクティブ・ノイズ・コントロール技術を思い出す。騒音を音で消すという逆転の発想。従来の騒音対策は二重窓にしたり壁を厚くしたりと、いわば受動型の手法だったのだけれど、アクティブ・ノイズ・コントロールは、こちらから音を出して退治しようという能動型の対策だ。
音にはそれぞれ固有の波がある。そこで騒音の波形を分析し、逆の形をした波をもつ音を発生させる。するとそれらが打ち消しあい、騒音が減るというわけ。原理そのものは古くから知られていたけれど、80年代から90年代にかけて、技術の発展によって商品化されるようになった。
すでに高級車のエンジン音の低減や、空調ダクトの消音などに利用されている。最近になって高速道路などの壁に取り付ける商品も開発されたが、一般的な遮音壁にくらべ、交通量を6割程度減らしたと同じ効果があるという。
犯罪抑止と騒音対策。それぞれに違う音の利用法ではある。それでも、相手にまともにぶつかるんじゃなく、違う発想からとりくんだり、逆をついたり。どちらもなんだか人生訓のようでもある。
騒音対策については「日本騒音制御工学会」「日本音響学会」などをご参考に。アクティブ・ノイズ・コントロールについては、「ハイテク騒音対策」「ASJのQ&A」などをご参考に。その商品化は、「東京都」「松下電器産業と本田技研工業」「新日本空調と日本車輌製造」などで発表されています。
音で解決で思い出したことがあります。ずれているかもしれませんが、自然の気です。昨年、ある画廊のオーナーのミニ講演をうかがいました。疲れたら、街でも公園でも木にしがみついてパワーをもらっていると言うのです。私も昨夏、仕事で白神山地のブナの原生林を訪れました。残業続きで体調は良くなかったのですが、1時間も散策しているうちに、とても元気になったのを感じたのです。この空気、この樹木から発せられるもの・・・まさしく癒しでした。こんなに気持ちいいと感じたのは何年以来だったでしょうか?
音にしろ見えるものにしろ匂いにしろ、私達は環境に大きく影響を受けて生きていると思いました。
はじめまして。
ちょっと質問です。本代の前の部分についてなのですが・・・
> 米フロリダ州の犯罪多発地域で地元警察が
> モーツァルトなどのクラシック音楽を流し
> たところ、昨年前半119件だった事件通報が、今年前半は83件まで減少した
とのことですが、これはどこで流されたのか御存知ありませんか。
例えば、留置所とか、街頭とか、ラジオで頻繁に流すようにしたとか・・・
それか、この事がまとめられた記事や論文はありませんか。
よろしくお願いいたします!