あれはたしかベーブ・ルース伝を読んだときだったろうか。豪傑さを紹介するエピソードとして、寮に朝帰りした話が紹介されていた。見回りにばれないよう急いでベッドにもぐりこんだものの、靴をはいたままだったのでばれてしまった、というオチ。いくら急いでいるからってベッドまで靴で行くなんてと、ずいぶん不思議だった。まだ子ども、洋風家屋では室内も靴のままなんて知らなかった。
室内で靴を履くといえば、大学に入ったとき、靴のまま教室にあがることが高校までと違っていて新鮮だった。なんでも大学は、日本に導入された当初から外国人教師を招いたり、西洋式の校舎を建てたりして、欧米風を目指すという原則があったからという。
旧制中学、現在の高校も大学を真似ていたので、もとは上履きがなかった。その後小中学校式に変わっていくが、いまでも伝統校では上履きがないところが多いようだ。
一方、明治時代にはじまった初等教育は、はじめ寺などを使っていたため、玄関で靴を脱ぎ、夏は素足、冬は足袋や草履をはく習慣だったという。この習慣が、その後洋風の校舎が建てられたあとも引き継がれていく。そもそも雨の多い日本では、下足のまま校舎に上がると汚れてしまうという事情もあった。
最近ではゴム地の校庭が登場した関係で靴が汚れることも少なくなり、上履きをやめる学校も出てきている。ズック型の上履きは1910年代に登場したようだけれど、考えてみれば広大な下駄箱スペースというのも、上履き文化ゆえの校舎の特色ではあった。
上履きが消えて、下駄箱が消える。さて、とするとラブレターはどこに入れればいいのか。というオチも、そのうち通じなくなるのかなあ。
学校にあるいろいろなモノについて調べるというのもおもしろいテーマですね。「個人研究」で取り組まれている方もいらっしゃるようです。「下足と上履き」のことを調べた方も。『学校のモノ語り』『教育の歴史(放送大学教材)』といった書籍でも触れられているようです。
日本で一般的なスリッパは外国で寝室などで寛ぐ時に履く物とはルーツが
違うらしい。日本の旅館に逗留する外国人が靴を脱がないので、スリッパに
履き替えさせたことが日本での爆発的な普及の理由という説がある。
ベルリンの南ポツダムにあるサンスーシー宮殿の絵画館は壁一面に額縁の絵を
飾る方式の絢爛豪華な美術館であるが、靴の上に馬が履くような大きなスリッパ
を着用しないと見学できない。
ところがそのスリッパが毛足の長いシャギー風なので、毎日利用する人達が靴
に付けて持ち込んだ埃が溜まって、歩く度に「もやっと」煙が立つほど。
なんのためのスリッパか?ドイツ人の合理的精神の典型的な破綻を思った。
ただし入館料は極めて安く、日本のように単行本が買えそうな高額ではなかった。
わたしは幼い頃外国から日本にやってきたのですが、上履きについてはいつも不思議でなりませんでした。
子供ごころながらに「がっこうがよごれるから」などと思っていましたが、今になって思えば確かに不思議な習慣ではあります。
ちなみにわたしの小学校では、上履きの甲の部分にマジックで【日の丸】を入れることが校則でした。外国人のわたしにはなんとも…
そういわれてみると大学は下足のままですね。それでいても校内がピカピカなのは掃除のオバチャンたちのおかげです。
今日もこれから綺麗な学校にいくけれど足が重い。だってテストを受けにいくのですから…。
「ラブレターはメールボックスに」っていうのも、今どきだったらあたりまえになりそうだけど、なんか味気ないなぁ。。。
中学生のころ,下駄箱に手紙が入ってたのを覚えてます.
内容は「今日の昼休み体育館の入り口で待ってます」
それを見た僕は,大変なショックを受けた.
何しろ,その手紙を見つけたのは,放課後.
部活(吹奏楽部)が終わって,さぁ帰ろうというとき.
当時,朝錬と称して,学校のカギが開くと同時に,音楽室に直行して楽器を吹いていた.
おそらく,手紙の差出人は,僕より後に学校に来たんでしょう.そりゃあたりまえだろうな.
もちろん,その後は何もありませんでした.
僕はとある国立大学付属高校に通っていました。
確かに、上履きがなかったです。
でも、おかしなことに、付属の中学にはあったんですねぇ。
どっちかに揃えればいいのに…
ん0、なんで?!
私の行った高校は県立の古いところでした。
唯一あった校則は「土足で上がってはいけない」
そして「上履きで外に出ていい」のです。
何でも、10分しかない休み時間でも
体を動かしに校庭に出ることを奨励した伝統だから
との説明があったように記憶しています。
こうなると、履き替えていても教室は土足で上がったのと
同じような状態で、砂で汚かった。
納得のいかない校則と習慣でした。
リビングデザインセンター(新宿)が毎年
日本人の暮らしについて面白い企画展をしています。
最初が「靴脱ぎ」でした。
清潔面や気候風土や習慣だけでなく、
もっと奥深い精神的な説明がありました。
このコラムを書いた時に参考にした本、という質問をいただきました。正直昔のことなので覚えていないのですが、コラム欄で触れたのは、「教育の歴史」「学校のモノ語り」です。
さらに調べる場合は、これらの本で紹介されている参考文献をたどっていくなども方法。靴や服飾の歴史だけじゃなく、教育の歴史がからんでくるんですねぇ。
あと、もし今調べるなら、下記のようなメーカーに尋ねるのも一歩ですね。「つきほしバーチャル歴史館」「アサヒシューズ」ほかにどんなスクールシューズ、体育館シューズを覚えていらっしゃるかな。
なお、その後の地元紙で「神戸に土足 なぜ多い?」なんて記事もありました。
以上、ご参考まで。
質問をした者です。
ご回答ありがとうございます!
参考にさせていただきます。