困難な状況の中で、それでも立ち上がる人たちが備えている三つの能力について。
- 現実を直視する能力
楽観主義者だと失望を繰り返すばかりになってしまう。現実を受け止め、向き合う強さ。 - 現在の状況に意味を見出す能力
困難な状況下においても捨て鉢にならず、人生に意味を見出すことができる価値観と信念。 - 手近にあるもので間に合わせる能力
プリコラージュ。混乱の中でも、手元の材料をもとに可能性を見出せる想像力。
(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2011年5月号「『再起力』とは何か」)
再起力(Relilience)、という考え方があるんですね。
なかで、プリコラージュに関連して、それが派生するのは「規律と制約の下」というのが興味深い(クリエイティビティの場合にもそれはあてはまる)。引用します。
(前略、カール・E・)ワイクは組織行動学で最も権威のある学者の一人であり、次のように書いている。
「人間は、プレッシャーにさらされると、最もなじものある行動へと回帰する。生存を脅かすような重圧の下では真新しい想像力など期待できない」
表現を換えれば、ある企業が創造力を抑制するような規則や規制を定めていようと、むしろそれは真に危機の時の再起力を高めるものとして機能しうるということである。(DHBR2011年5月号p33)
原論文はDiane L. Coutuが9.11を受けて書いた、HBR2002年5月号掲載の論文”How Resilience Work”。3.11後の日本に向けて、再掲されたもの。
人間には、困難な中から立ち上がる能力がある。
再起力とは、人々の精神と魂に深く刻まれた反射能力であり、これを理解する能力である。再起力の高い人や企業は、現実に毅然と目を向け、困難な状況を悲嘆することなく、前向きな意味を見出し、啓示を得たかのように解決策を生み出す。(DHBR2011年5月号p33)