小橋 昭彦 2011年4月9日

話す言葉によって思考が違うことを述べたサピア=ウォーフの仮説。証拠に乏しく、見捨てられていたが、実証的証拠が見つかってきたという話。

北オーストラリアのポーンプラーウで話されているクウク・サアヨッレ(Kuuk Thaayorre)語は、「右/左」という言葉を持たず、絶対的な方位(東西南北)で位置関係を示す。「あなたの南に立っている人」など。時間軸に沿ってカードを並べるとき、言語を書く向きに影響されつつ並べる傾向がある。クウク語の話者は、東から西に向けて並べる。南を向いていれば左から右へ、東を向いていれば前方遠くから手前へ。

また、バイリンガルの場合、何語で指示を受けているかによって、無意識的な偏見さえ左右される。アラビア語・ヘブライ語バイリンガルの場合は、ヘブライ語で指示を受けているときは、アラビア語が使われているときより、ユダヤ人を好ましいととらえる姿勢が強くなる。

(日経サイエンス2011年5月号p67「言語で変わる思考」)

ぼく自身は、その昔丸山圭三郎氏の著書を読んだとき以来、言葉が人間に与える影響について、ずっと考えてきた。サピア=ウォーフ仮説って、1980年代くらいにはほとんど見捨てられていた、と上記の文章にあった。それが、見直されてきたということ。

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