小橋 昭彦 2014年5月11日

NHKスペシャルに『病の起源』というのがあったけれど、これは現代の動脈硬化の起源を示すもの。

人類が長寿になった原因は、近代化に伴う衛生要因の向上だけではなく、もっと古代から獲得していたという研究。

具体的には、APOE  e4という遺伝子に関連している。この遺伝子を持ったことで、人類は、熱感、発赤、腫張という自然免疫系の炎症反応を生じるようになった。簡単に言えば、損傷組織に温かい血液が急激に流れ出し、血管の透過性が増して血管内から細胞と血漿が流れ出すことで、感染の拡大を防ぐ。

それだけじゃなく、脂肪を効率的に蓄積する、腸での脂質の吸収が高まるなどの利益もあり、生き残れる確率が高まったのだろうと。

ただ、その結果、年老いてから、アテローム性動脈硬化症をおこすようにもなった。心臓発作や脳卒中は、生活習慣の問題だけではないらしい。

長寿化の傾向はずっと昔に始まっており,太古の環境中に存在した病原体と闘うために強力な免疫機構を進化させたことが長寿につながったという見方だ。例えば人類の祖先が肉を多く食べるようになると,それに付随する病原体に対する防御機構が進化したという。

引用元: ヒトが長寿になったわけ | 日経サイエンス.

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