蝶の擬態を「超遺伝子」が司っているという話。「Chromosomal rearrangements maintain a polymorphic supergene controlling butterfly mimicry」(Nature477,203 206(08 September 2011))から。研究者のMathieu Joronさんのサイトにニューヨークタイムズの記事「A Supergene Paints Wings for Surviving Biological War」へのリンクがあったので、そちらも参考に。
超遺伝子というのは、同じ染色体の上に強固に並んでいて、そのままの単位で遺伝する遺伝子群のこと。サクラソウのピン型とスラム型で最初に記述されたのだとか。
Supergenes are tight clusters of loci that facilitate the co-segregation of adaptive variation, providing integrated control of complex adaptive phenotypes. Polymorphic supergenes, in which specific combinations of traits are maintained within a single population, were first described for ‘pin’ and ‘thrum’ floral types in Primula and Fagopyrum, but classic examples are also found in insect mimicry and snail morphology
ついでに蝶の擬態についても「蝶の生態について」を参考に復習。
- 隠蔽
これは葉っぱに見せかけるなど、環境に身を隠すためのものですね。 - 目玉模様
こちらは天敵に見せかけるなど、敵を脅すためのもの。 - ベイツ型
自分は毒を持っていないけれど、毒を持っている種類に見せかけるもの。 - ミュラー型
自分を毒を持ちつつ、他の毒を持つ種と似せること。
今回研究の対象となったのは、ミュラー型で7種類もの模様を切り替えるヌマタドクチョウ。