小橋 昭彦 2012年1月11日

ハトは群れで飛ぶために、どれほどの代償を払っているのか。じっくり調べた研究結果が発表されている。

Natureの2011年6月23日号に掲載された”Flying in a flock comes at a cost in pigeons”(Nature474,494 497)という論文。ちょっと引用しよう。

(1) maintain powered, banked turns like aircraft, imposing dorsal accelerations of up to 2g, effectively doubling body weight and quadrupling induced power requirements;

(2) increase flap frequency with increases in all conventional aerodynamic power requirements;

(3) increase flap frequency when flying near, particularly behind, other birds.

とある。群れで飛ぶときは旋回に2倍の重力加速度がかかり、4倍の出力が必要だという。羽ばたきの頻度も速くしなくてはいけない。なお、ペリカンの場合は、逆に群れで飛ぶことでエネルギーを蓄積しているそうだ。逆に言うと、ハトにとっては、それほどのコストをはらってまで群れるメリットがあるということ。天敵への対策とか。

ちなみに、鳥が群れで飛ぶ様子については、以前「群れの行動」で紹介した「boids理論(提唱者のレイノルズ博士サイトへのリンク)」が面白いので参照ください。

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