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再起力を支える三つの能力

2011年4月12日 【雑学なメモ
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困難な状況の中で、それでも立ち上がる人たちが備えている三つの能力について。

  1. 現実を直視する能力
    楽観主義者だと失望を繰り返すばかりになってしまう。現実を受け止め、向き合う強さ。
  2. 現在の状況に意味を見出す能力
    困難な状況下においても捨て鉢にならず、人生に意味を見出すことができる価値観と信念。
  3. 手近にあるもので間に合わせる能力
    プリコラージュ。混乱の中でも、手元の材料をもとに可能性を見出せる想像力。

(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2011年5月号「『再起力』とは何か」)

再起力(Relilience)、という考え方があるんですね。

なかで、プリコラージュに関連して、それが派生するのは「規律と制約の下」というのが興味深い(クリエイティビティの場合にもそれはあてはまる)。引用します。

(前略、カール・E・)ワイクは組織行動学で最も権威のある学者の一人であり、次のように書いている。

「人間は、プレッシャーにさらされると、最もなじものある行動へと回帰する。生存を脅かすような重圧の下では真新しい想像力など期待できない」

表現を換えれば、ある企業が創造力を抑制するような規則や規制を定めていようと、むしろそれは真に危機の時の再起力を高めるものとして機能しうるということである。(DHBR2011年5月号p33)

原論文はDiane L. Coutuが9.11を受けて書いた、HBR2002年5月号掲載の論文”How Resilience Work”。3.11後の日本に向けて、再掲されたもの。

人間には、困難な中から立ち上がる能力がある。

再起力とは、人々の精神と魂に深く刻まれた反射能力であり、これを理解する能力である。再起力の高い人や企業は、現実に毅然と目を向け、困難な状況を悲嘆することなく、前向きな意味を見出し、啓示を得たかのように解決策を生み出す。(DHBR2011年5月号p33)

 

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話す言葉によって思考が違うことを述べたサピア=ウォーフの仮説。証拠に乏しく、見捨てられていたが、実証的証拠が見つかってきたという話。

北オーストラリアのポーンプラーウで話されているクウク・サアヨッレ(Kuuk Thaayorre)語は、「右/左」という言葉を持たず、絶対的な方位(東西南北)で位置関係を示す。「あなたの南に立っている人」など。時間軸に沿ってカードを並べるとき、言語を書く向きに影響されつつ並べる傾向がある。クウク語の話者は、東から西に向けて並べる。南を向いていれば左から右へ、東を向いていれば前方遠くから手前へ。

また、バイリンガルの場合、何語で指示を受けているかによって、無意識的な偏見さえ左右される。アラビア語・ヘブライ語バイリンガルの場合は、ヘブライ語で指示を受けているときは、アラビア語が使われているときより、ユダヤ人を好ましいととらえる姿勢が強くなる。
(日経サイエンス2011年5月号p67「言語で変わる思考」)
ぼく自身は、その昔丸山圭三郎氏の著書を読んだとき以来、言葉が人間に与える影響について、ずっと考えてきた。サピア=ウォーフ仮説って、1980年代くらいにはほとんど見捨てられていた、と上記の文章にあった。それが、見直されてきたということ。

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現在、世界に6000前後の言語が存在するが、そのすべてが5万-7万年前にアフリカに存在した初期の人類が話していた祖語から枝分かれしたものである可能性が最新の調査で明らかになった。
遺伝学の分野に「創始者効果」として知られる理論があります。これは、祖先となる集団の中にある遺伝的多様性が、子孫に枝分かれするとき、そのままの頻度ではなく、偏って引き継がれるという効果のことです。簡単にいえば、今の集団はAからDまでの多様性が混在する集団だけど、枝分かれした小集団は、ある集団ではA的な人ばかり、別の集団はD的な人ばかりという現象が起こるよと。そういう話です。

で、言語にもこれがあるんじゃないか、ということで援用して、遺伝子の変わりに音素をあてはめて研究したのが今回の研究ですね。すると、アフリカの言語でもっとも音素が多く(141も!)、逆に少ないのは南米と太平洋諸島(13)だったと。ちなみに、これは見方によっても違いますが、日本語は約20、英語は40。日本語は進化した言語に入りますね。

学生時代、ペルシャ語を学んでいて、アラビア語にも手を出そうとしたとき、「ペルシャ語は進化しているから簡単だけど、アラビア語は原型に近いから難しい」と言われたことを思い出しました。ともあれ、バベルの塔はアフリカにあったか。
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