日本語って、1秒あたりの音節数でいえば、スペイン語と並んで多く、「速い」言葉だったんですね。一方で、遅い言葉としては中国語。
ただ、中国語は音節に多くの意味を含んでいて、情報量としては密度がある。つまり、速い言葉と遅い言葉と比べると、速い言葉だからと言って情報を多く伝えられるわけではなく、相手に伝えられる情報のスピードとしては、速い言葉も遅い言葉も変わらないということ。
A recent study of the speech information rate of seven languages concludes that there is considerable variation in the speed at which languages are spoken, but much less variation in how efficiently languages communicate the same information.
上記からの調査結果一覧は次の通り。
言語 | 毎秒の発話音節数 | 情報密度 | 平均情報量 |
英語 | 6.19 | 0.91 | 1.08 |
フランス語 | 7.18 | 0.74 | 0.99 |
ドイツ語 | 5.97 | 0.79 | 0.90 |
イタリア語 | 6.99 | 0.72 | 0.96 |
日本語 | 7.84 | 0.49 | 0.74 |
中国語 | 5.18 | 0.94 | 0.94 |
スペイン語 | 7.82 | 0.63 | 0.98 |
ベトナム語 | 5.22 | 1 | 1 |
ベトナム語を対象言語としているので、ベトナム語の情報密度は1。
中国語の場合だと、毎秒の発話音節は5.18と少ない(遅い)けれど、音の高低などの情報量が多く、0.94と密度が高い。結局、情報量的には1に近くなっている。
しゃ べる速さにかかわらず、受け取る側の情報の処理能力に合わせているということなのだろうという推測。もっともこの表からは、日本語は「速い」けど情報密度 が際立って低く、同じ時間で伝えられる情報量が他の言語に比べて少ないように読み取れますね。だから日本語は論理的発話に向かないと落ち込むより、余韻、 情緒のある言語なのだと納得しておきましょうか。
論文は「Language」に掲載。
(プレスリリース)
http://lsadc.org/info/documents/2011/press-releases/2011-09-language.pdf
(論文へのリンク)
ACROSS-LANGUAGE PERSPECTIVE ON SPEECH INFORMATION RATE
http://lsadc.org/info/documents/2011/press-releases/pellegrino-et-al.pdf
1 thought on “日本語は速い言葉だけど、多く情報を伝えるわけではない”