ざつがく・どっと・こむ
ちょっと知的な雑学&トリビア

光合成のしくみを解明

2011年4月20日 【雑学なメモ
Share...Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

大阪市立大学の神谷信夫教授らの研究グループが、光合成における酸素発生の謎を解明したというニュース。同大学のプレス発表資料から紹介。

光合成酸素発生の謎を解明-神谷信夫教授(複合先端研究機構)らの研究成果がネイチャー誌に掲載

光合成は、太陽の光エネルギーを利用して,有機物の燃え残りと言える2酸化炭素からブドウ糖を作り出す過程です。ブドウ糖は,我々人間を含め,ほとんどすべての地球生命体が,呼吸によりエネルギーを取り出している栄養源です。光化学系II複合体(PSII,図1)は,太陽からの光を受けて,水を分解して酸素分子を発生させ,同時に電子を発生させています。この電子は,2酸化炭素をブドウ糖まで変化させるために利用されます。これまでPSIIの酸素発生反応は,4個のマンガン原子(Mn)と1個のカルシウム原子(Ca)が複数の酸素原子(O)により結びつけられた金属・酸素クラスターの上で進行しているとされていましたが、そのクラスターの正確な化学組成と詳細な原子配置は明らかにされていませんでした。

今回、我々は、PSIIの結晶の質を従来と比べて飛躍的に向上させることに成功し、大型放射光施設SPring-8(兵庫県・西播磨)を利用してX線結晶構造解析を行いました。これにより、そのクラスターはMn4CaO5の組成をもち,全体として歪んだ椅子の形をしており、ひとつのMnとCaにそれぞれ2個の水分子が結合していることが明らかになりました(図2)。これら4個の水分子のいずれかは、Mn4CaO5クラスターから発生する酸素分子の中に取り込まれるものと考えています。

なんというか、これは直感的な話なんだけど、これまでの人類って、自然に対抗するために技術を磨いてきたみたいなところがあるように思う。それに対して、21世紀のテクノロジーは、インセクトテクノロジーなどもそうだけど、自然から学び、いかにそれを模倣するかに重点が置かれていくように感じている。

光合成が人工的に実現できたら、すごく夢のある話。楽しみな研究だ。

Crystal structure of oxygen-evolving photosystem II at a resolution of 1.9 A

(Nature published:2011 DOI:10.1038/nature09913)

 

Share...Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn



required



required - won't be displayed


Your Comment:

世界の人類はすべてアフリカに起源を持つという「出アフリカ」説。オークランド大学の学者が、世界中の言語も、アフリカにひとつの起源を持つという仮説を発表しました。
世界のすべての言語、アフリカの「祖語」にさかのぼる

現在、世界に6000前後の言語が存在するが、そのすべてが5万-7万年前にアフリカに存在した初期の人類が話していた祖語から枝分かれしたものである可能性が最新の調査で明らかになった。
遺伝学の分野に「創始者効果」として知られる理論があります。これは、祖先となる集団の中にある遺伝的多様性が、子孫に枝分かれするとき、そのままの頻度ではなく、偏って引き継がれるという効果のことです。簡単にいえば、今の集団はAからDまでの多様性が混在する集団だけど、枝分かれした小集団は、ある集団ではA的な人ばかり、別の集団はD的な人ばかりという現象が起こるよと。そういう話です。

で、言語にもこれがあるんじゃないか、ということで援用して、遺伝子の変わりに音素をあてはめて研究したのが今回の研究ですね。すると、アフリカの言語でもっとも音素が多く(141も!)、逆に少ないのは南米と太平洋諸島(13)だったと。ちなみに、これは見方によっても違いますが、日本語は約20、英語は40。日本語は進化した言語に入りますね。

学生時代、ペルシャ語を学んでいて、アラビア語にも手を出そうとしたとき、「ペルシャ語は進化しているから簡単だけど、アラビア語は原型に近いから難しい」と言われたことを思い出しました。ともあれ、バベルの塔はアフリカにあったか。
Phonemic Diversity Supports a Serial Founder Effect Model of Language Expansion from Africa

Human genetic and phenotypic diversity declines with distance from Africa, as predicted by a serial founder effect in which successive population bottlenecks during range expansion progressively reduce diversity, underpinning support for an African origin of modern humans. Recent work suggests that a similar […]

前の記事

ぼくたちには、いいことは上の方にあって下の方にはあまり好ましくないことがあるように感じるなど、方向感覚と価値観をリンクして考える癖がある。そこで、左利き、右利きの人の価値観が実際の空間の左右認識とつながっているかを調べたところ、自分の利き手の方を「正しい」と考える傾向が明らかになったという話。
Are Your Values Right or Left? The Answer Is More Literal Than You Think
たとえば、右利きの人は右側の方が「正しい/好ましい」方向と考える傾向があるけれど、事故で右手が使えなくなって一時的にせよ左利きになると、左側の方向が「正しい/好ましい」方向と考えるのだと。

英語の「right」といえば、右であり正しいことだけど、これはきっと、右利きが多いことが影響しているんじゃないか、という指摘も。価値観って、純粋に頭で決定していると考えがちだけれど、このように身体的な影響を受けていることを知っておければ、ちょっとばかり冷静にものごとをとらえるきっかけになるかもしれない。

だから今は、「上を向いて歩こう」なのである。論文は下記。
When Left Is “Right”-Motor Fluency Shapes Abstract Concepts

Right- and left-handers implicitly associate positive ideas like “goodness” and “honesty” more strongly with their dominant side of space, the side on which they can act more fluently, and negative ideas more strongly with their […]

次の記事