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ちょっと知的な雑学&トリビア

線虫の脳をレーザー光で操作

2011年4月07日 【雑学なメモ
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線虫のニューロンにレーザー光をあてて、線虫を動かしたり、止めたり、産卵を促したりするソフトウェアを開発。特定の細胞に光感受性を持たせる「オプトジェネティクス」を利用。

長さ1mmという、線虫は、生物学のなかでもっとも詳しく調べられた生き物。302個のニューロンと5000箇所の神経接続がある。そのはたらきを顕微鏡で観察して標的ニューロンの場所を割り出し、レーザー光をあてる。

(日経サイエンス2011年5月号p24「小さな脳を制御」)

Optogenetic manipulation of neural activity in freely moving Caenorhabditis elegans

We present an optogenetic illumination system capable of real-time light delivery with high spatial resolution to specified targets in freely moving Caenorhabditis elegans. A tracking microscope records the motion of an unrestrained worm expressing channelrhodopsin-2 or halorhodopsin in specific cell types. Image processing software analyzes the worm’s position in each video frame, rapidly estimates the locations of targeted cells and instructs a digital micromirror device to illuminate targeted cells with laser light of the appropriate wavelengths to stimulate or inhibit activity. Because each cell in an unrestrained worm is a rapidly moving target, our system operates at high speed (~50 frames per second) to provide high spatial resolution (~30 μm). To test the accuracy, flexibility and utility of our system, we performed optogenetic analyses of the worm motor circuit, egg-laying circuit and mechanosensory circuits that have not been possible with previous methods.

(Nature Methods Volume:8,Pages:147 152(2011))

神経系全体のコンピュータモデルを作ることが目標と。それができたとき、そのモデルは独立した「脳」と呼べるのだろうか。身体性のある線虫とリンクして操作する段階はともあれ、独立して「思考」できるのか。

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北米の大型哺乳動物の大半は1万1000年前に絶滅した。それは、22万年前に北米にやってきたバイソンが、更新世(約180万年前から1万年前まで)後半の食物と水が乏しかった時代に、有利に生き延びたからではないかと、サンバーディーノ郡立博物館のEric Scot。
(日経サイエンス2011年5月p21「バイソンが滅ぼした大型動物」)
 

先日、東京の科学博物館で、恐竜時代の後に登場した大型の哺乳動物に驚かされた。なぜ、それらが絶滅したのか。言い換えれば、なぜ恐竜は大型化の道を究めたが、哺乳動物はそうならなかったのか。

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話す言葉によって思考が違うことを述べたサピア=ウォーフの仮説。証拠に乏しく、見捨てられていたが、実証的証拠が見つかってきたという話。

北オーストラリアのポーンプラーウで話されているクウク・サアヨッレ(Kuuk Thaayorre)語は、「右/左」という言葉を持たず、絶対的な方位(東西南北)で位置関係を示す。「あなたの南に立っている人」など。時間軸に沿ってカードを並べるとき、言語を書く向きに影響されつつ並べる傾向がある。クウク語の話者は、東から西に向けて並べる。南を向いていれば左から右へ、東を向いていれば前方遠くから手前へ。

また、バイリンガルの場合、何語で指示を受けているかによって、無意識的な偏見さえ左右される。アラビア語・ヘブライ語バイリンガルの場合は、ヘブライ語で指示を受けているときは、アラビア語が使われているときより、ユダヤ人を好ましいととらえる姿勢が強くなる。
(日経サイエンス2011年5月号p67「言語で変わる思考」)
ぼく自身は、その昔丸山圭三郎氏の著書を読んだとき以来、言葉が人間に与える影響について、ずっと考えてきた。サピア=ウォーフ仮説って、1980年代くらいにはほとんど見捨てられていた、と上記の文章にあった。それが、見直されてきたということ。

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