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ちょっと知的な雑学&トリビア

交尾の起源

2011年3月30日 【雑学なメモ
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板皮類のプチクトドント科に属するマテルピスキス。3億7500万年前のデボン紀後期に生息。クラスパー(交尾器)があり、また胎児を宿していた化石も見つかる。

おもしろいのは、顎が、モノをかみくだくためではなく、交尾のときメスをつかまえておくために進化したのではないかという話。ちなみにクラスパーというのは、骨盤の一部で、交尾に利用する特殊な形の突起。これが後の性器につながったものと推測される。さらに、クラスパーのある腰帯が、四肢動物の後肢に進化したのではないかとも考えられる。交尾によって、後々のボディプランも決まっていったのかもしれない。

(日経サイエンス2011年4月号「セックスの始まり」)

 

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 父が世を去った。病の再発を知らされてから2年、自宅で療養しつつ、静かにその日を準備してきた。この半年は気道確保のため声を出せなかったから、やりとりはメモ書き。その日その日のちょっとした連絡から、「ありがとう」と感謝を伝えるものまで、おびただしい数の紙片が、手元に残った。
 初七日を済ませた頃、長男に自主勉強としておじいちゃんのことを書いたら、と薦めた。そんな哀しいことをなぜと問う彼に、それが人間にできるいちばんすてきなことだからと答える。言葉があるから、ぼくたちは今はいない昔の人の教えを受けることができるし、きっと会うこともないだろう遠い国の人の思いを知ることもできる。
 言語学のスザンヌ・ロメインらによる『消えゆく言語たち』によると、世界には、およそ5000から6700の言語があるという。その多くはほんの少数の集団で使われている言葉。たとえばヒシュカリヤナ語は、既知の言語の中で唯一、文頭に目的語を置く言語というが、アマゾン川流域でわずか350人の話者を持つにすぎない。
 この100年、主要言語がすさまじい速度で拡張し、いまや100大言語で世界人口の90%を占めている。その陰で、どれだけの言語が失われてきたか。それはすなわち、それだけの数の文化や感性、生態系が失われてきたということだ。最後の話者は、その言語が支えてきたすべての世界とともに、この世を去る。マン島語最後の話者ネッド・マッドレルが、カトーバ・スー語のレッド・サンダークラウドが、コーンウォール語のドリー・ペントリースがそうであったように。
 父がつけていた闘病日誌がある。死の前々日の欄には、穏やかな体調や天候のことが書かれ、「今日くらいやったらほんまにうれしくて」とあった。ぼくは窓から、集落を、畑を、山並みを、空を見上げる。この世界を持てたことを、ぼくは感謝している。

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ロボットに仮説・検証という科学者的な手法を身につけさせようとする研究。基本は、次の3つの推論方法。

演繹
すべての白鳥は白い→デイジーは白鳥である→デイジーは白い
アブダクション
すべての白鳥は白い→デイジーは白い→デイジーは白鳥である
帰納
デイジーは白鳥であり白い→ダニーは白鳥であり白い→ダンテは白鳥であり白い(以下続く)→すべての白鳥は白い

演繹は確実。アブダクション(仮説的推論)は、正しい可能性のある仮説を立てる方法だが、確実ではない。デイジーを捕まえて検証しなくてはならない。帰納は、新たな仮説を立てる手法だが、確実ではない。しかしわれわれが日常的に利用している手法ではある。
(日経サイエンス2011年4月「研究するロボット」)

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