小橋 昭彦 2001年5月31日

 未確認飛行物体。この語に懐かしい響きを感じるのはなぜだろう。冷戦が終わって目撃報告が減少、もうUFOの時代ではなくなったという空気があるからか。1953年に創設され、UFO探しグループの草分けともいわれる英国空飛ぶ円盤調査局(BFSB)も活動停止を決めたとか。
 一般に世界最初のUFO目撃情報と言われるのが、1947年にアメリカのアーノルド氏がワシントン州で見たという9つのなぞの物体。その後とくに米国で話題を集め、1960年代には約7億円という研究費をかけ、コロラド大学で実例調査を実施、否定的な結論を含む「コンドン・レポート」として発表されもしている。
 とはいえ、その後もUFOの研究活動は民間を含め数多く続けられている。BFSBの活動停止も、UFOを信じることを止めたからではなく、目撃報告が少なくなり、宇宙人による地球探索が終了したと思われるからだとか。
 空飛ぶ円盤は実在するのかどうか。いるならそのうち会えるだろうし、いなくても、未知への期待に夜空を見上げる、そんな気持ちはすてきだ。すべてが確認された世界より、未確認に満ちた世界の方が、子ども時代の世界に似て、楽しい。未確認飛行物体の語に懐かしさを感じるのは、そんなこともあってのことか。
 1970年代に打ち上げられたパイオニア、あるいはボイジャーなどの外惑星探査機には人類からのメッセージが搭載されている。それらが遠い旅の後、未確認飛行物体として宇宙の友人に出会う、そんな日だってあるかもしれない。確かなことだけが、たいせつなわけじゃない。

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3 thoughts on “未確認飛行物体

  1. 今日の没ネタ。太陽電池の発電効率、16.4%で世界記録(朝日4月27日)。中国から飛べないけど完全な羽毛の恐竜化石(朝日4月27日)。

  2. すみません、UFOと空飛ぶ円盤という用語、もとのコラムでは意識して使い分けているのですが、読み返すと1箇所、誤解を招きそうな表現がありました。次のように訂正します。
    「BFSBの活動停止も、空飛ぶ円盤を信じることを止めたからではなく、目撃報告が少なくなり、宇宙人による地球探索が終了したと思われるからだとか。」
    ちなみに、UFOというのは未確認飛行物体の略ですから、空飛ぶ円盤を含むもろもろを意味しています。

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