古代世界七不思議のひとつにあげられるギリシア・ロードス島の太陽神ヘリオスの立像は、港の入口に建てられており、灯台の役目も持っていたと言われる。同じく七不思議のひとつに数えられることもあるのが、アレクサンドリアのファロス灯台。高さ100メートル以上、50キロ以上先まで照らしていたとも言われる。
これらの建造年代がいずれも紀元前250年から300年頃とされるように、灯台の起源は古い。日本では7世紀半ばに防人(さきもり)が外敵を知らせるための施設として作ったのが初めといわれ、これが遣唐使船の目印として重宝された。
近代の洋式灯台のはじめは明治元(1868)年に建造された観音埼(かんのんざき)灯台。その竣工を記念して、11月1日は灯台記念日とされている。
ちなみに灯台の光だけれど、灯質といってそれぞれの灯台で違っている。隣り合った港で同じ光の灯台があると事故につながるからだ。フィルターを利用して色を変え、点滅のバリエーションを加える。日本最北端の宗谷岬灯台の場合だと「群閃白光、毎15秒をへだて15秒間に4閃光」といった次第。
現存する日本最古の灯台、神子本島(みこもとじま)灯台の付属施設が、1870年の建設当初の姿に復元されて保存されることになった(日経2月23日)。日本の灯台の父とも言われるリチャード・ヘンリー・ブラントンが建設した灯台だ。彼の手になるおよそ30基の灯台のほぼ半数は現存し、観光地利用などの期待を背負うものも多い。過去はただ過ぎ去った時間ではなく、ときに未来を照らし出すこともある。
灯台については、まず「社団法人燈光会」をどうぞ。「日本の灯台」「灯台豆知識」も充実。その他、産経新聞の「未来史閲覧」日本財団事業成果「灯台」などの記事が参考になります。
今日の没ネタ。規制で演説する市民が減ったシンガポールの「スピーカーズコーナー」(朝日2月23日)。反粒子消滅のなぞ解明にふたつの研究グループの結果一致(朝日2月23日)。日本人顔は縄文と弥生が混合(日経2月25日)。