小橋 昭彦 2000年12月29日

 文具の通販市場が伸びている。注文したその日、あるいは翌日には届くというインターネット通販が貢献している。文具市場は、事業所向け1兆3200億円、個人向け4800億円規模とされるが、その1割くらいが通販。
 筆記具の中で販売数量が多いのはボールペン。年間18億本ほどが販売されており、輸出向けも多い。日本でボールペンが使われるようになったのは、第二次大戦後、進駐軍の兵士が持ち込んでからだが、あっというまに筆記具の主役となった。
 もっとも、ボールペンが普及するには曲折もあった。昭和22年ごろから出回り始めてブームとなったボールペンは、インクが流れる、ボールが抜け落ちるなどのクレームが続出し、昭和24年には下火に。再び脚光を浴びるのは2年後、改良された商品が完成してからのこと。
 ボールペンのインク、現在ではゲルタイプが人気。水性と油性の中間のようなもので、寒天のような状態に近づけてある。ゲルもそうだが、ボールペンの普及にインクの発展は欠かせない。ボールペンを発明したのは米国のジョン・ラウドで1884年のこととされているが(朝日11月24日)、実際の登場は1943年、ビロによる機構の発明とそれにふさわしいインクの開発を待たなくてはいけなかった。
 ところでボールペン、なぜか最初から最後までずっと日常的に書いて使い切ったという経験が少ないんだけど、なぜなんだろう。なくしたり書けなくなったり。あの先端、高度な技術が使われているだけに、考えてみればもったいない。

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