小橋 昭彦 2001年3月16日

東京大学の原島博教授の研究室で、平均顔を作成するツールを開発、公開している。いろいろな人の顔写真を準備して実行すれば、それぞれの目や鼻や口といった部位の大きさや位置関係などを数値化し、平均値を算出して「平均顔」が作られる。

研究室では、実際に職業別に作った平均顔を公開している(日経2月18日)。銀行員やプロレスラー、政治家など。銀行員はまじめで実直そう、プロレスラーは太い眉ににらみつけるような視線、政治家は眼鏡の奥の表情に乏しいとろんとした目と、それぞれの職業の典型的な顔になっているのがおもしろい。

会社を辞めて独立したとたん「いい顔」になった知人の例は少なくない。長続きしているカップルは、血が通っていないはずなのに顔立ちが似ている。ペットと似た飼い主というのも珍しくない。いや失礼、ペットが飼い主に似たのかもしれないけれど。

ともあれ、こう考えると、たまたま特徴のある顔をした人がその職業を選ぶというよりは、職業が顔を作っているのだろう。4月になって新入社員が会社に迎えられる季節、研修もさまざまに行われるけれど、そうして「職にあった顔」が大量生産されていくわけで。

毎朝鏡を見て、自分が「いい顔」をしているかどうか確認する。化粧でごまかすのじゃなく、いい顔をしようと努力してみる。そのことが、日々少しずつ何かの型にはまってしまう自分を押しとどめ、理想の自分に向かわせていく、そんな気がする。

4 thoughts on “顔立ち

  1. 今日の「顔立ち」は、最高です。明日を楽しみにしています。

  2. ありがとうございます! どこがよかったのかな、とりあげた内容かな、それとも結びの部分かな。ともあれ、今回から、エンディングについてある決意をしました。その第1回目の配信でした。

  3. 確かに、顔って状況で変わっていきますよね。気負ってた時代の写真とかを見ると、やっぱそうやなあ、とか思いますし。僕も、これから「いい顔」がにじみでる人間になれるよう心がけます!!

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