大身体差時代、なのだそうである(日経2月4日)。確かに父母の世代よりずいぶん背が高くなったとは思うけれど、ことは身長だけではない。
たとえば頭。上から見た形がどんどん円形化している。50年前を100とすると、前後の長さが103.6、横幅が105.2と、横の伸びが大きい。ヨーロッパでは逆に前後の伸びが大きく長頭化に向かっているというから不思議。
たとえば足。1920年生まれと80年生まれでは、平均値が男女とも1センチ伸び、それぞれ25.5センチ、23.5センチとなった。形も幅広から細長へ向かっている。
ちなみに身長は1880年の成人男子平均が161.5センチ、1991年の20歳男子は171.4センチだから、10センチ伸びている。頭の長さは23.7センチから23.9センチとそれほど変わっておらず、まさに「八頭身」へ。一方で脚の長さは77.1センチから87.6センチ。つまり全体としてみると脚長へ。
かっこいい体型になりつつあるともいえるのだろうけれど、喜んでばかりもいられない。家庭内の階段事故を国民生活センターが分析したところ、10歳未満に次いで多かったのが、なんと20代で、60代を上回っていたのだとか。脚の長さと階段の高さがあわなくなってきたという説が有力視されている。
大身体差時代を迎え、従来の基準で作られた製品に見直しが迫られている。住宅や、衣服や、眼鏡や。マネキンの形も現代風が求められ、靴も立体計測した顧客の足にあわせて作られたりする。サイズに対する不満が消費を縮める原因ともいわれるけれど、それはまたビジネスチャンスでもあるのだ。
体型については、「人間生活工学研究センター」「生命工学工業技術研究所」などで研究されています。米国での事例では、「The Visible Human Project」が知られています。