あと1カ月少しすれば3歳という時期になって、息子の語彙もずいぶん増えた。過去を思い出して語ったりするように、ものごとの順序を理解して説明できるようになった。思い返せば、単語のやりとりじゃなく会話ができるな、と思うようになったのは1年ほど前のこと。大人の言っていることを理解しているな、と感じたのが1歳を過ぎたころで、その頃からじょじょに単語も口にするようになる。ちゃちゅちょ語ではあるけれど。
日本女子大学の須賀哲夫教授は、コンピュータに言葉を覚えさせることで、赤ちゃんが言葉を覚える過程を研究している。研究者が親となって、「このほんはあおいです」などの会話をキーボードを通じてする。コンピュータ上の赤ちゃんを「エムラス」という。
エムラスは最初、言葉を知らない。そこで、「このほんはあおいです」「あのほんはあおいです」といった複数の文章をくらべて、「この」と「あの」が違うだけだ、そして「この」のときは本との距離が近い、などと判断して言葉の使い方を学んでいく。
現状では「うれしい」「美しい」「悪い」といった表現や、身体がないから「空腹」という表現なども使えない。それでも、エムラスは研究者の質問に対して答えるなど会話ができるようにまで成長、知能テストでは4、5歳程度の能力だとか(朝日2月3日)。
赤ちゃんの言語獲得のかなりの部分はこうした単純な方法で説明できるのではないか、と須賀教授は言う。ううむ、そうなのか。なんとなく複雑な気持ちになりつつ、「おとーしゃん」という子を、ぎゅっと抱きしめてみる。ほっぺがあたたかい。
須賀教授の研究については、NHKで番組にもなっていたようです。「にっぽん名物研究室」および、レポーターさんの「取材日記」を参考に。日本心理学会での「発表」もあったようです。その他、関連しそうなのは「人工生命・人工知能」「人工知能学会」などかな。
今日の没ネタ。初詣は20世紀に広まった(朝日2月2日)。植物成長のカギとなる物質の立体構造解明(朝日2月3日)。出産祝い金をやめてから出生率が下がったカナダのケベック州(朝日2月3日)。南極のペンギン、上空のヘリで倒れることはないと確認(日経2月3日)。
遼太郎くんの疑問について考えてみました。子供に「今日」をどうおぼえてもらうか。難しいですよね。「おはようからおやすみまでの間は、ずーーーーっと今日」というのじゃダメなのかしら。
そうそう、それも考えたんですね。すると、どこかで「大人の自分」が「じゃあねんねしてから、おとーさんが仕事している時間は『今日』じゃないのか」とつっこんで。いやはや。