小橋 昭彦 2001年2月16日

 類焼による煙で汚れた布団をクリーニングに出した。仕上がりの日ははっきりとわからないという。聞くと、クリーニング後天日にあてるから、天候によるのだとか。太陽光にまさる仕上げ方法はないらしい。
 そう、晴れた日の午後、干していた布団をとりこんだあとの香りの心地よさ。ついそのまま顔をうずめて惰眠をむさぼったり、太陽の香りだねえ、なんて子どもと喜んでいる、むじゃきな時間。
 もちろん、光そのものに香りがあるわけではない。化粧品メーカー研究所の分析によると、布団や洗濯後の衣類に残る汗や脂肪、洗剤成分などが、太陽の光や熱で分解されてできるアルデヒドやアルコール、脂肪酸などの揮発性物質が「太陽の香り」の主成分であるという(朝日1月15日)。
 この成分と人間の気分の関係を、経済産業省の生命工学工業技術研究所が研究している。アルファ波という脳波の「ゆらぎ係数」によって、人間の気分を指標化したもの。実験によると、「太陽の香り」をかぐと、気分のよさを示す大脳の左前頭部の係数、鎮静を示す右前頭部の係数とも、リズム度が大きくなり、リラックスしていることを表していた。
 発表によると、このリラックス度、あらかじめ洗濯物に漂う香りであることを説明してからかがせると、よりリラックスした状態になるという。物質だけで説明できない、太陽の香りの記憶が作り出す効果。人間っていいなあ、とそんな現象に思う。

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2 thoughts on “太陽の香り

  1. 今日の没ネタ。豚のタブーにも深い背景(朝日1月14日)。人の顔はサルと比べ平たん(日経1月14日)。リストラで若手の仕事量が増えたこともスキー客減少の理由(日経1月14日)。

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