肥満に関係する遺伝子が見つかり「肥満遺伝子」と話題になったのは1994年のこと。この表現から勘違いされることが多いが、肥満を起こす遺伝子ではなく、本来は肥満を防いでいる。それが損傷することで、肥満を抑制するレプチンと呼ばれる物質が働かなくなり、太ってしまうわけだ。
これまで見つかった肥満遺伝子は、肥満の目安とされるBMIの指標が30を超える欧米に多い重度の肥満に関連するもの。日本人に多いBMI25から30程度のいわゆる「小太り」に関連する遺伝子ではなかった。この遺伝子を発見したのが、群馬大の武田純教授ら。SHPという遺伝子に変異があったのだ(日経1月14日)。
もっとも、遺伝子に変異があるからといってそれだけで太るわけではない。日常の飲み食いがあってこそ。宮崎医科大の中里雅光講師らによると、食欲を高める体内物質に、グレリンというのがあるらしい。
グレリンは、脳や胃で作られ成長ホルモンの分泌を促す体内物質。これをラットに注入したところ、与えなかったラットに比べ一日の食事量が4グラム増え、体重が増加したという。胃から分泌されるグレリンの量は空腹時に増えることもわかっている。
日本肥満学会の推計によれば、30代以上の5人に1人は太りすぎだとか。遺伝子や体内物質の働きが明らかになってきたとはいえ、治療につながる成果はまだ少し先。30代も折り返し点を過ぎた身としては、医学の進歩に期待しつつ、腹回りをつかんでみたりしている。
肥満と遺伝子については、「肥満と遺伝子」「食欲をコントロールするレプチン」などご参考に。BMIについては自分で計算できるサイトがいろいろあります。「肥満とは」などをご参照ください。ただし、この後日本肥満学会では、BMIが25以上を肥満と、それまでの26.4より基準を厳しくしています。あ、「あなたの肥満度をチェックしよう」がわかりやすいですね。
私は2年前までほぼ毎日運動をしていたのですが、最近体を動かす事がなく、太る一方で困っています。